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花王、化粧品再建へ攻めの大改革 「ソフィーナ」刷新、カネボウは大型ブランド

SankeiBiz 9月19日(月)8時15分配信

 花王が低迷する化粧品事業の立て直しに本腰を入れている。子会社のカネボウ化粧品が、15日に10年ぶりとなる大型ブランドを投入。花王本体が展開する基礎化粧品「ソフィーナ」も、13日に商品の大幅刷新に踏み切った。今月初旬には神奈川県小田原市で新研究所を稼働させ、両社の研究開発機能を集約するなど経営一体化も進む。花王が産業再生機構の傘下にあったカネボウを4100億円で買収してから10年。買収効果を上げるどころか、ともに苦戦を強いられているが、ようやく攻めに転じようとしている。

 「従来のカネボウとは違うお客さまにも足を運んでいただいている。年齢層も20~60代と幅広い」

 15日に都内の百貨店にある売り場を視察したカネボウの販売担当者は、新ブランド「KANEBO」の予想以上の反応に安堵(あんど)の表情をみせた。

 社名を冠していることでも分かるように、KANEBOは同社が社運を懸けて投入した高級ブランドだ。5000円程度を中心に、スキンケアやメークで総合ブランドとしては少なめの24品目を厳選してそろえ、得意とする感性に訴える商品づくりに磨きをかけた。

 カネボウの2015年12月期の売上高は約1800億円。花王による買収後は、07年12月期の2200億円強をピークに、ほぼ一貫して減り続けてきた。中でも、13年に美白化粧品の副作用で肌がまだらに白くなる「白斑問題」を起こしたことで深刻な客離れを招き、花王のお荷物とまでいわれてきた。

 KANEBOは、4、5年後にカネボウの現在の売上高の6分の1に当たる300億円を稼ぎ出す計画だ。同社社長を兼務する花王の夏坂真澄常務執行役員は「(カネボウの)80年の歴史の集大成」と力を込める。

 一方、商品改革はソフィーナでも進む。13日に中心商品を刷新し、新開発の保湿成分「iTPS複合体」を配合した商品群を新たに加えたことは「大きな目玉」(花王)。感性に訴えるカネボウと違い、科学をベースにした商品づくりが花王の強みだ。最近はそれをさらに“深掘り”し、皮膚以外も研究対象とする「生命美容科学」を標榜している。

 花王が化粧品市場に参入したのは1982年。機能性を前面に出したソフィーナは、ブランドイメージに頼りがちな既存商品に満足できない消費者を取り込み、同社を業界首位の資生堂やカネボウに次ぐ有力メーカーに押し上げた。

 もっとも、ここ数年は製薬会社などからの参入が相次ぎ、類似の商品が増えたことで、存在が希薄になっていた面は否めない。夏坂氏は「時代の変化の中で、カネボウも花王(ソフィーナ)も普通の化粧品になってしまった」と、反省を込めて語る。

 カネボウを含む花王の化粧品事業は、2015年12月期に約2550億円を売り上げたが、営業損益は赤字に終わった。国内市場が人口減で縮小する中、中長期的な成長には海外進出が欠かせないが、足元の海外売上高比率はカネボウが15%、花王本体は10%程度にすぎず、50%を超える資生堂に大きく水をあけられている。最近の国内市場を盛り上げている中国人観光客らによる爆買いでも、ほとんど恩恵に浴していない。

 こうした中、商品改革と並行して進めているのが経営一体化だ。それぞれの強みを伸ばすのが商品改革なら、一体化の狙いは強みを結集することにある。

 花王の沢田道隆社長は12年に就任し、夏坂氏をカネボウ社長に送り込んで以降、物流や生産で両社の協力関係を深め、今年1月には販売会社統合にも踏み切った。新研究所開設は、その総仕上げにあたる。

 一体化にここまで時間がかかったことについて、ライバルメーカーは「化粧品では先輩であるカネボウに気を使うあまり、一体化に踏み込めなかったのでは」と推測する。だが、そうした消極的な姿勢はもはやみられない。

 化粧品事業の業績は今期に入り改善。日本メーカーが苦戦する中国事業の構造改革にもいち早くめどをつけるなど攻めの環境は整いつつある。

 今後はKANEBOとソフィーナに、カネボウのメークブランド「ケイト・トーキョー」を加えた3ブランドに経営資源を集中投入する方針。20年12月期には、事業売上高を3000億円超に引き上げ、海外売上高比率も2割強まで高める考えだ。

 沢田社長は「これでようやく自分たちの方向にいける。大改革をドライブにしたい」と意気込む。必要な手をあらかた打ち終えた今、何より求められているのは具体的な結果だ。(井田通人)

最終更新:9月19日(月)8時15分

SankeiBiz

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