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秦 基博プロデュース 『Augusta Camp 2016』が大輪の花火とともに閉幕

エキサイトミュージック 9/18(日) 4:15配信

今年のオーガスタキャンプの正式名称は『Augusta Camp 2016 ~produced by 秦 基博~』という。2006年にシングル『シンクロ』でデビューし、これまで「ひまわりの約束」を筆頭に「アイ」「鱗(うろこ)」など数々のヒット曲を生み出してきた秦 基博。彼は今年デビュー10周年を迎え、11月からは自身初となるアリーナツアー『HATA MOTOHIRO 10th Anniversary ARENA TOUR“All The Pieces”』も待ち受けている。今回のオーガスタキャンプはタイトル通り、その秦がイベント全体を“プロデュース”するという趣向。杏子、山崎まさよし、スキマスイッチなど個性派ミュージシャンが集うオフィスオーガスタのメンバーを彼はどのように束ね、どのようにその魅力を引き出すのか……イベントはすべてが彼ならではのコダワリとセンスに貫かれていた。

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まず、会場となったのは富士急ハイランドコニファーフォレスト。ここは10年前、秦が初めてオーガスタキャンプの舞台に立った場所である。「これまでの人生であれほど緊張した経験はない」という思い出の地を会場に選ぶというのは、10周年にあたり自身の原点を見つめ直す意味もあるのだろう。

そして内容的には全三部構成という大がかりなものになった。第一部はアコースティックを主体としたパートで、秦の名曲の数々を各アーティストとのセッションで魅せていくコーナー。秦はこれまで『GREEN MIND』というライブシリーズでアコースティック音楽の探求を続けてきたが、今回は “オーガスタキャンプ特別版”としてオーガニックな音世界を堪能してもらうも のになっていた。

第二部は各アーティストが自身の曲を、秦をバンマスとするバンドの演奏で表現していくというもの。バンドメンバーは今春『HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2016 -青の光景-』(全国15会場17公演で開催)を共に回ったミュージシャン ――鈴木正人(Ba)、あらきゆうこ(Dr)、皆川真人(Key)、弓木英梨乃(Gt)――に朝倉真司(Perc)を加えた面々で、秦が現在もっとも信頼を置く最強の布陣である。

第三部はそのメンバーで自身の楽曲を演奏するワンマンライブ――つまりプロ デューサー・秦 基博は今年のオーガスタキャンプに、コンセプトの異なる三本の柱を立てて臨んだということである。

14時ちょうど、ステージ左右のモニターで映像がはじまる。昨年のオーガスタ キャンプの様子を皮切りに2014年、2013年……と時代はさかのぼっていき、2006年、このコニファーフォレストでの10年前の秦の姿が映ったところで映像は切れる。そしてステージに秦がひとりで登場。1曲目に彼が選んだのは、10年前の映像でも歌っていた「シンクロ」。デビュー曲を自身の代名詞でもあるアコギの弾 き語りで披露する。歌い終えると「天気がほどよい感じでよかったです」とMC。 そこから次々とアーティストを呼び込み、スリリングなセッ ションがスタートした。

竹原ピストルとは秦の曲で一番好きだという「Dear Mr. Tomorrow」で共演。曲の持つメッセージに荒々しいソウルが注ぎ込まれる。スキマスイッチの2人は派手なアロハを着て登場し、「秦よりも目立ってやる!」と挑発。3人で演奏したのは初期の人気曲「僕らをつなぐもの」で、常田真太郎のタメを効かせたピアノに呼応して大橋卓弥もたっぷりと情感を込めて歌い上げ、大きな喝采を浴びていた。

杏子とはパーカッシブなソウルグルーヴ「Fast Life」。「風景」はその杏子と大橋がコーラスで参加し、メインは山崎まさよしと秦の2人が並ぶという編成。練りこまれたコーラスワークも含め、4人のヴォーカリストの声の力に酔いしれる出来栄えだった。

秦同様今年デビュー10周年を迎えた長澤知之とは、互いに「10周年おめでと う」「ありがとう」と言葉をかけあうところからはじまった。秦が長澤と一緒 に歌いたかったという「アイ」は不器用さと純粋さが溶け合う長澤にぴったりで、秦とは異なる角度から歌に見事な説得力を与えていた。

そして「第一部のラストはオーガスタのみんなでやりたいと思って出てきてもらいました」と全員集合で福耳のナンバー「夏はこれからだ!」。アコースティックパートのラストにふさわしく、コーラスが強調されたアレンジは柔らかな質感を帯びていて、終わった夏を惜しむような優しい味わいになっていた。

ここで秦はいったん舞台から降りるのだが、今回のオーガスタキャンプは三部構成の合間に「2016年・オフィスオーガスタの注目アーティスト」のライブが行われた。まず第一部と第二部の間は、今年デビューし、「YAMABIKO」が全国のCSや FM/AMラジオ52局でパワープレイを獲得した新世代のシン ガーソングライター、NakamuraEmi。しなやかなラップスタイルの歌とヒリヒリしたメッセージは多くの耳目を集めていた。

第二部と第三部の間は、“オーガスタの次女”がエレクトロミュージックを主体とする気鋭の3人組UQiYOをサポートに迎え、“元ちとせ with UQiYO”として登場。原曲のイメージを大きく変えた1曲目「ワダツミの木」から衝撃的で、冷たい質感のビートとヒューマンな元のヴォーカルの融合は、 これまで聴いたことのない斬新な音楽を奏でていた。

「一部はまったりしてたので、二部では上げていこうと思います!」

第二部は前述通り、各アーティストのバックを“秦バンド”が支えるというパート。第一部からの流れを汲んで、1曲目は長澤を迎えた「あんまり優しくない 世界」で高らかにはじまりを宣言する。さかいゆうが秦のために書いた「ピエロチック」ではファルセットヴォイスのバトルとピアノの連弾で 会場中を大いに沸かせる。

COIL・岡本定義との「ミサイル・カウンシル」はノイジーなロックという意外なチョイスが驚きを呼ぶ。竹原とは彼がこの日のために書き下ろした 新曲「ちゅちゅちゅI want you」を共演。秦はこの曲でラップに挑戦し、曲の最後は竹原と決めポーズ。人懐っこい楽曲のせいもあり客席とひとつになっていた。

杏子とはバービーボーイズ時代の名曲「女ぎつねon the run」。ハスキーさを強調した秦のヴォーカルはかつてなくセクシーで、バービーの艶っぽさを今に再現する。スキマスイッチとは切ない男心を歌った「ボクノート」と、秦と大橋の熱唱がガチンコでぶつかり合う「ガラナ」の2曲。「ガラナ」のブレイク時に 「Ah Yeah!!」のフレーズを織り交ぜるという粋な計らいに、観客はタオルを振って応えていた。

そして第二部ラストは山崎まさよし。「思い出の曲をやります」と言ってはじまったのは「春も嵐も」。ご存じのように、この曲はハウス食品「ウコンの 力」のCM曲。秦は山崎らとともにCMに出演したのだが、そのときの演技があちこちでイジられトラウマになったとか(笑)。舞台はそのまま「セロリ」になだれ込み、最後にはメンバー全員が姿を現した大団円の中でバンドセッションは終了した。

今回のオーガスタキャンプ、秦がプロデュースしたのはステージ上だけではない。各アーティストがメニュー作りにまで関わっている恒例のオーガスタ食堂に加 え、今年は新企画としてHATA CAFEをオープン。これはスウィーツやドリンクを中心にしたオープンカフェで、観客にリラックスタイムを提供していた。

また、本番の前日には『Augusta Camp 2016前夜祭』なる企画も行われ、ここではリハーサルの一部を公開。本番ではやらなかった「スミレ」のダンスレッスンを行うなど精力的に動き回ってい た。

第三部の前には10周年を迎えた秦に対するお祝いのコメントがビジョンに次々と映し出された。松山ケンイチ、バカリズム&マギー、井ノ原快彦(V6)、スターダストレビュー、筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)、KAN、SPITZ……そうそ うたる面々からのメッセージが続く。

それを受けて登場した秦は、のっけから「グッバイ・アイザック」でオーディエンスを総立ちにすると、「花咲きポプラ」「SEA」とアップテンポな楽曲で会場の温度を上げていく。MCを挟んで演奏されたのは10月19日にリリースされる最新シングルの「70億のピース」。秦のアコギとウーリッツァーからはじまる楽曲は、 深まる秋にぴったりの包み込まれるような1曲。前日夜に特別配信がはじまったこともあって、 しっかりと聴き込んでいる人も多い様子だった。

「キミ、メグル、ボク」では夜空に何百何千という風船が解き放たれ、「スミレ」ではおなじみの“スミレちゃんダンサーズ”が過去最高の8人登場! 華やかな装いでステージを染め上げた。

第三部の最後に歌った「朝が来る前に」「鱗(うろこ)」の2曲は、秦が10年前のコニファーフォレストでも歌ったナンバー。今回のオーガスタキャンプを プロデュースするにあたり、彼が最初に「やりたい」と思った曲だという。自身が辿った10年間の重みを噛みしめるように、秦は歌の世界に没入していた。

アンコールはまず長澤と2人きりで、彼のデビュー曲「僕らの輝き」を披露。 秦にとって長澤はライバルであり盟友といえる存在。横並びで歌ってい ても、 どこか肩を抱き合うような男の友情が感じられるシーンだった。

ここでメンバー全員が舞台に登場。10周年を迎えた2人にサプライズで花束贈呈――となるはずが、なぜか常田は秦のコスプレをして、その声をさかいがモノ マネであてるという遊び心に会場中が大笑い。涙ではなく笑いで祝う10周年。それもまたオーガスタキャンプらしい光景だろう。

全員そろって演奏されたのは、もはや国民的な楽曲へと成長を遂げた「ひまわりの約束」。出演アーティスト全員の合唱で歌われた名曲は、各自が各自を想い合うオーガスタファミリーの絆を歌っているようにも感じられた。

そしてフィナーレはもちろん「星のかけらを探しに行こうAgain」。山崎の 「秦、前行け!長澤、前行け!」という声に背中を押され、照れ屋の2人も前に出てオーディエンスに感謝を示す。秦の顔にもアーティストの顔にもオーディ エンスの顔にも満足した表情が浮かんでいる。こうして 15,000人とともにすごした今年のオーガスタキャンプは、大輪の花火とともに幕を閉じたのだった。

≪セットリスト≫
■第一部:コラボPART<アコースティック・セット>
1. シンクロ
2. 青い蝶(with さかいゆう)
3. 虹が消えた日(with 浜端ヨウヘイ・松室政哉)
4. Dear Mr. Tomorrow(with 竹原ピストル)
5. ディープブルー(with 元ちとせ)
6. 僕らをつなぐもの(with スキマスイッチ)
7. 休日(with 岡本定義(COIL)・常田真太郎)
8. Fast Life(with 杏子・岡本定義(COIL)・あらきゆうこ)
9. 風景(with 山崎まさよし・杏子・あらきゆうこ・大橋卓弥)
10. アイ(with 長澤知之)
11. 夏はこれからだ!(with ALL STARS) ※オリジナル:福耳

■NakamuraEmi
12. YAMABIKO
13. 使命
14. めしあがれ
15. メジャーデビュー

■第二部:コラボPART<バンド・セット>
16. あんまり素敵じゃない世界(with 長澤知之) ※オリジナル:長澤知之
17. 結-yui-(with 浜端ヨウヘイ) ※オリジナル:浜端ヨウヘイ
18. ピエロチック feat.秦 基博(with さかいゆう) ※オリジナル:さかいゆう
19. ミサイル・カウンシル(with 岡本定義(COIL)) ※オリジナル:COIL
20. オレンジ(with 松室政哉) ※オリジナル:松室政哉
21. 千の夜と千の昼(with元ちとせ) ※オリジナル:元ちとせ
22. ちゅちゅちゅ I want you.(with 竹原ピストル) ※オリジナル:竹原ピス トル(未発表曲)
23. 女ぎつね on the run(with 杏子) ※オリジナル:BARBEE BOYS
24. ボクノート(with スキマスイッチ) ※オリジナル:スキマスイッチ
25. ガラナ~Ah Yeah!!(with スキマスイッチ・松室政哉) ※オリジナル:ス キマスイッチ
26. 春も嵐も(with 山崎まさよし・浜端ヨウヘイ) ※オリジナル:山崎まさよし
27. セロリ(with ALL STARS) ※オリジナル:山崎まさよし

■元ちとせ with UQiYO
28. ワダツミの木
29. Birthday ※オリジナル: The Sugarcubes
30. Ship’s feat.元ちとせ ※オリジナル:UQiYO
31. 君の名前を呼ぶ

■第三部:秦 基博 in Augusta Camp 2016 
32. グッバイ・アイザック
33. 花咲きポプラ
34. SEA
35. 70億のピース 
36. パレードパレード
37. キミ、メグル、ボク
38. スミレ
39. 朝が来る前に
40. 鱗(うろこ)

■アンコール
41. 僕らの輝き(with 長澤知之) ※オリジナル:長澤知之
42. ひまわりの約束(with ALL STARS)
43. 星のかけらを探しに行こう Again(with ALL STARS) ※オリジナル:福耳

≪リリース情報≫
■秦 基博 
New Single
『70億のピース/ 終わりのない空』
2016.10.19リリース

■杏子
New Single
『イカサマ美男子 feat.リンダ/ Magenta Butterfly』
2016.09.28リリース

■山崎まさよし
New Single
『君の名前』
2016.09.28リリース

■元ちとせ
Digital Single
『君の名前を呼ぶ』
配信中

■スキマスイッチ
New Single
『全力少年produced by 奥田民生』
2016.11.30リリース

■松室政哉
New Single
『Theme』
2016.09.14リリース

■NakamuraEmi
EP
『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST RELEASE TOUR LIVE!(赤盤)』
『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST RELEASE TOUR LIVE!(青盤)』
※ライブ会場限定販売

 

最終更新:9/19(月) 4:00

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