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<パラ陸上>山本篤、進化の銀…8センチ差「悔しい」

毎日新聞 9月18日(日)0時58分配信

 【リオデジャネイロ岩壁峻】リオデジャネイロ・パラリンピックは第11日の17日、陸上男子走り幅跳び(切断などT42)で、山本篤(スズキ浜松AC)が6メートル62で銀メダルに輝いた。世界記録保持者のポポフ(ドイツ)、ワグナー(デンマーク)とライバル同士による高いレベルで争ったが、ポポフが制した。山本は2008年北京大会で同種目の銀メダル、今大会の男子400メートルリレー(切断など)で銅メダルを獲得しており、通算で3個目のメダルとなった。

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 トップのポポフとの差は8センチ。逆転をかけた最終6回目の跳躍を終えると、山本篤は大きな雄たけびを上げた。空中での体勢がわずかに乱れて記録は6メートル57。金メダル獲得の可能性がなくなったことを知ると、山本篤は観客の声援に感謝した。

 ライバルの3人は前哨戦でも激しく競り合ってきた。まず山本篤が今年5月に6メートル56をマークして世界新記録を樹立。しかし、直後の6月にワグナーが6メートル70を記録し、8月にはポポフが6メートル77に塗り替えた。山本も7月に6メートル62と自己ベストを更新した。

 1回目にポポフがパラリンピック記録の6メートル70をマークしてレベルの高い争いとなった。山本篤も大跳躍を見せるが、踏み切り板を越えてファウル。2回目も助走のタイミングが合わない。3回目にようやく6メートル47を跳んで、ワグナーに続いて3位につけた。

 観客に手拍子を求めて、集中力を高めた4回目。山本篤は7月に記録した自己ベストに並ぶ6メートル62を跳び、ワグナーは抜いたが、ポポフにあと一歩で及ばなかった。「悔しい」。表彰式に向かう際に山本は短く言った。

 左の義足で踏み込み、高々と宙を舞う。空中姿勢の美しさが山本篤の特徴だ。当初は右足で踏み切っていた山本だが、義足で跳んでみると記録が伸びた。「跳ぶ形を整え、健常な足を引き上げるタイミングさえ良ければバーンと跳ぶ」と山本篤。義肢装具士の資格を持ち「競技パートナー」の特性を理解したことが飛躍につながった。山本篤は34歳。2大会ぶりの銀メダルは、まだ進化できることの証明でもあった。

最終更新:9月18日(日)4時57分

毎日新聞