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お金のことが学べる映画5選

ZUU online 9/18(日) 6:10配信

経済・金融界では、想像を絶するような事件が発生、何度も繰り返されています。たとえば、2008年からのリーマンショックでは、サブプライムローンの拡大と崩壊が多くの金融機関や証券会社等を経営危機や破綻に追い込みました。経済・金融界での事件は映画の題材としても取り上げられており、さまざまな視点から見た映画が公開されています。

1990年代の日本のバブル崩壊も銀行、証券などを破たんに追い込み、数多くの日本映画の題材になりました。映画は身近な先生です。映画として楽しめ、お金のことがしっかり学べる比較的最近の映画5選を紹介しましょう(文中敬称略)。

■『マネーモンスター』で金融界の根底の問題を考える

ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツ主演の映画で、2016年6月に公開された話題作『マネーモンスター」から紹介しましょう。

『マネーモンスター』は全米でも大人気・高視聴率の財テク番組という設定です。人気MCのリーをクルーニー、女性敏腕ディレクターのパティをロバーツが演じます。『羊たちの沈黙』で主演女優賞を受賞したジョディ・フォスターがメガホンを取ったことでも話題になりました。

『マネーモンスター」で注目会社として紹介したアイビス社の株価が暴落します。番組ではアイビス社のCEOのインタビューを生放送で企画しますが、その生放送中のスタジオにアイビス暴落で全財産を失った男が拳銃と爆弾をもって乱入し、リーを人質に取って番組をジャック、その模様をライブで放映し続けました。押し入った男がアイビス下落には株価情報操作が行われたことを訴えるうちに、リーは情報操作の一端を担がされていたことに気がつき、人質から共犯者へと立場を変えていきます。番組ジャックの生放送はスリリングで、緊迫感を持って進行していきます。

結末を紹介するのは控えますが、金融界で問題視される永遠のテーマ「インサイダー情報」や「株価操作」について、改めて考えさせられます。企業の不正に対するリスク管理やモラルが向上し、コンプライアンスが厳しくなった今でも、こういった問題は後を絶ちません。投資家は、風説の流布に近いような情報に踊らされず、本質を見極める力が必要でしょう。

■『ウォール街』続編『ウォール・ストリート』で金融界の変化を感じる

1987年に公開された『ウォール街』とその続編で2010年に公開された『ウォール・ストリート』は金融映画のバイブルです。『ウォール街』の主人公の投資家ゲッコーはマイケル・ダグラスが演じ、成り上がっていく証券マンのフォックスはチャーリー・シーンが演じました。

1987年といえば日本ではバブルど真ん中で、証券マンが輝いていた時代です。日本の証券マンにとっても『ウォール街』はストーリーでもファッションの面でもバイブル的な存在で、フォックスが着ていたネイビースーツにサスペンダー、黄色いネクタイのファッションが流行していた時期もありました(ただ映画の中で、フォックスは、ゲッコーから「そんな安っぽいネクタイはするな」とたしなめられていましたが)。

フォックスはゲッコーとの取引を通じて、インサイダー情報にはまっていきます。インサイダー情報で近づいた2人は、金融市場を舞台にどんどん親密になっていきます。ただ、確実に破滅も近づいてきていました。

監督のオリバー・ストーンは、作中でゲッコーと対立するフォックスと同じく、過剰な資本主義による倫理観の崩壊を嫌悪する立場をとっていました。

『ウォール街」から23年を経て、マイケル・ダグラスの主演の続編として『ウォール・ストリート」が公開されました。ゲッコーのその後を描いた作品です。あらすじを語ると『ウォール街』の内容もあわせて分かってしまうので多くを語りませんが、設定は『ウォール街』から15年後、ゲッコーはリーマンショックの原因となったサブプライムローンの拡大の真っ只中にいます。年を経て、ますます渋くなったゲッコーはどんな事件に巻き込まれるのでしょうか。グリーディー(貪欲)なゲッコーは変わったのでしょうか、変わらないのでしょうか。2本続けてみると、金融界の変化も感じられるのではないでしょうか。

■『インサイド・ジョブ』でリーマンショックの真実を知る

リーマンショックを題材にした映画には、2009年公開でドキュメンタリーの『キャピタリズム~マネーは踊る~』、2011年公開でリーマン・ブラザーズをモデルとした投資銀行を描いた『マージン・コール』、2015年公開でサブプライムや銀行を空売りしたトレーダー達を描いた『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などがあります。

今回紹介するのは、2010年に公開された『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』です。アカデミー賞で長編ドキュメンタリー部門賞を受賞した米国の作品で、世界金融危機はなぜ起こったのか、有名な金融機関の関係者や政治家にインタビューして核心に迫ろうとしています。ソロスやポールソンといった、ヘッジファンド界の大物がインタビューに登場します。インサイド・ジョブとは「内部犯行」のことで、リーマンショックを引き金とした世界金融危機は、内部にいた関係者たちが生み出した犯罪であるというメッセージが込められているのかもしれません。

バブルが起き崩壊する過程では、モラルを無視したマネーゲームに興じる存在が生まれます。教訓を忘れないためにも、同時代に生きた証人として見ておくべきではないでしょうか。

■『ソーシャル・ネットワーク』で有名IT企業のスタートアップ期をおさらい

2010年公開の映画で、SNS最大手の米Facebookを創業したCEOのマーク・ザッカーバーグのノンフィクション映画です。

ザッカーバーグがFacebookの前身であるFacemashをハーバード大学在学中に立ち上げたのが2003年で、現在世界的に広まるSNSの種がまかれました。もともとは、恋人にフラれたザッカーバーグが、腹いせに女子学生の写真を集め女子の格付けを始めたサイトです。その後、エリートの双子ウィンクルヴォス兄弟に頼まれ、ハーバード大学生と女子との出会い系サイト「ハーバード・コネクション」の制作を依頼されました。それをヒントにザッカーバーグは2004年にFacebookをスタートさせます。

現在、世界を牽引しているのはIT関連企業です。世界1位の時価総額はアップルで5,615億ドル、Facebookは6位で3,559億ドルです(2016年7月末時点)。世界のベスト10のうち6社がIT系の企業です。その企業の創業期を振り返っておくことは、明日のFacebookを探すうえでも大事でしょう。誰もが、ザッカーバーグになるチャンスがあるのではないでしょうか。

■『殿、利息でござる!』で江戸時代のプロジェクトファイナンスを学ぶ

日本でも、バブル崩壊後の金融市場の崩壊と、外資主導による再建の歴史は格好の映画のネタになっています。

日本金融・経済映画の名作である『ハゲタカ」、『金融腐蝕列島 呪縛』、『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』などはバブル期を題材にしたものです。この時代の映画はほとんど語り尽くされているので、ここでは新しい映画を紹介しましょう。

『殿、利息でござる!」は2016年5月公開で、今から240年前の江戸時代、仙台藩吉岡宿が舞台となっています。阿部サダヲ演じる穀田屋十三郎は、重い年貢で廃れていく吉岡宿を救うため、お金を貸して利息を取ることを計画し、大胆にもお殿様に貸すことを考えました。走り回って集めた資金1,000両は、現在の価値で3億円にもなります。さて、このプロジェクトは成功したのでしょうか。

年貢を取り立てられる立場の庶民が、お殿様から金利を取るという大それた逆転の発想の映画は、金融界で成功するための秘訣が盛り込まれています。 穀田屋が現在の日本にいたら、外資系投資銀行でパートナーになって大稼ぎしていたかもしれません。

お金のことが学べる映画5作品を紹介しました。映画のいいところは、楽しみながら学べることです。ここで紹介した作品以外にも、金融や経済について学べる作品は多数あります。まずこの5作品を見たうえで、ほかの作品を探してみてはいかがでしょうか。(提供:お金のキャンパス)

最終更新:9/18(日) 6:10

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