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川崎機械工業、地元・京都にショールーム 空の旅に極上の和テイスト提案

SankeiBiz 9月19日(月)8時15分配信

 船舶や航空機などの部品を製造する川崎機械工業(京都市中京区)が今年3月、京都市内に新しい空の旅を提案するショールームを開設した。出張などで世界中を飛び回る林誠一郎社長が、地元の京都が誇る伝統工芸を取り入れた和のおもてなしの良さを発信しようと、新規事業として立ち上げた。地盤沈下に悩む京都の伝統産業の再活性化にもつなげていきたい考えだ。

 川崎機械工業は1963年に創業。船舶や航空機、自動車、ロケット、産業用機械などで使われる歯車の生産を、材料調達から完成まで一貫で行っている。航空機では低燃費実現のために部品の軽量化が進んでおり、求められる品質の要求レベルも厳しくなっている。同社は長年培ったノウハウに加え、歯車にかかる圧力やノイズなどを分析する解析ソフトを導入し、差別化と高品質を実現している。

 メード・イン・ジャパンの品質の高さを売りにした海外市場の開拓にも余念がない。外国人や外国語に堪能な日本人を積極的に採用し、海外の企業やバイヤーからの案件に対応。多様な人材や価値観を生かすダイバーシティ経営を取り入れ、変化する社会のニーズに応えていくことによって成長を続けている。

 もともとは重厚長大系の企業を顧客としていた同社がアートの領域に進出したのは、海外出張の多い林社長の発案がきっかけだった。海外出張で航空機を利用した際、「ファーストクラスの利用客が以前よりも減っていることに気づいた」という林社長。「かつてファーストクラスといえば、ビジネスマンの憧れの対象だったが、ビジネスクラスのサービスが充実するなどして特別感がなくなったことが原因ではないか」と分析した。

 林社長はこれまでにない新たな特別感を演出する方法を思案するうちに、幼い頃から慣れ親しんだ京都の伝統工芸を機内に取り入れることを思いついた。ここ数年、海外の高級ブランドなどが和のテイストを取り入れており、旅客機内のしつらえとしても喜ばれると考えたのだ。

 そして、今年1月に第1弾として、金箔(きんぱく)加工や絹織物を施した航空機向けシート「KYOTO ファーストクラスシート」を開発した。絹織物には和紙を混合するなど、シートの耐久性を高める工夫を凝らしているのが特徴だ。3月には京都市内にショールーム「SKY ART(スカイ・アート)」を開設し、シートの展示などを通じて新しい空の旅を提案している。

 「和のおもてなしで極上のファーストクラスを提案したい」と意気込む林社長は、フライト中に伝統工芸品が通販で購入できたり、工房見学の予約ができるシステムを開発するなどの構想を描いている。来年春には活動拠点となる工房を京都市内に新設、漆芸家の浅井康宏さんら若手作家の育成にも力を注ぐ。

最終更新:9月19日(月)8時15分

SankeiBiz