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<若年がん>生活支援指針、AYA世代の実情調査へ…研究班

毎日新聞 9月18日(日)9時0分配信

 思春期や若い世代のがん患者が抱える悩みや問題を把握して支援につなげようと、厚生労働省の研究班(代表者=堀部敬三・名古屋医療センター臨床研究センター長)が、患者や経験者らへ初の大規模実態調査を実施し、治療環境の整備や社会生活支援のための指針を作成する方針を決めた。治療時期が進学や就職、結婚、出産の時期と重なるため、指針には、この世代特有の入院時や治療前後に配慮する点や提供すべき情報などを盛り込む予定だ。

 この世代のがん患者は「AYA(Adolescent and Young Adult=思春期・若年成人)世代」と呼ばれる。がんの種類によって小児病棟、成人病棟のどちらにも入院する可能性があり、同世代の患者が少ない中で孤立しがちだ。思春期は悩みを抱え込みやすく、学業や就労の継続や将来の妊娠の可能性温存など、この世代に特徴的な課題への支援が遅れている。

 研究班は、AYA世代の対象を15歳から40歳未満とした。2012年の患者数は全国で約2万人と推計されるが、国内の実態は分かっていない。研究班は今年、この世代の患者と治療を終えた経験者各200人ずつを対象にアンケート調査を実施。がんの治療内容や後遺症▽入院生活や治療中の悩み▽学業や仕事▽妊娠・出産への治療の影響に関する説明の有無--などについて聞いている。このほか、患者の家族、医師、看護師、がん診療連携拠点病院などへの調査も実施し、結果を踏まえて来年度に指針を作成する。

 指針は、入院時の療養環境や病状説明での配慮、妊娠を希望する場合への対応、学業や就労での相談先などを盛り込む案が出ている。治療内容は、がんの種類によって異なるため、共通する療養や社会生活の支援策についてまとめるという。担当する国立がん研究センター中央病院の清水千佳子外来医長(乳腺・腫瘍内科)は「実態調査から小児と中高年のはざまにある世代のニーズを見極め、支援につなげたい」と話す。【下桐実雅子】

最終更新:9月18日(日)10時27分

毎日新聞