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<もんじゅ>原子力機構職員も疑念…原研労組アンケート

毎日新聞 9月18日(日)10時0分配信

 存廃議論が進む高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、運営主体の日本原子力研究開発機構の現役職員からも「もんじゅは失敗」という声が上がっている。毎日新聞が入手した原子力機構の労働組合のアンケートによると、「廃炉を考えるべきだ」との意向を示した職員は回答数の57.7%に上った。もんじゅには1兆円超の国費が投じられたが、20年間の運転実績はトラブルなどで約250日にとどまっている。

 原子力機構は核燃料サイクル開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団=動燃)と日本原子力研究所(原研)が合併して2005年に発足。労組は動燃系の「原子力ユニオン」と原研系の「原研労組」がある。

 原子力規制委員会がもんじゅで管理不備が続く状況を問題視し、新たな運営主体を示すよう文部科学相に昨年11月に勧告を出したことを受け、原研労組が同年12月から今年1月に当時の全組合員234人にアンケートし、71人が回答した。原研労組は敦賀に支部がなく、もんじゅ職員は含まれない。原子力機構の総職員数は全国に約3130人、もんじゅがある敦賀事業本部には約380人いる。

 毎日新聞が入手したアンケート結果によると、自由記述欄には「このまま莫大(ばくだい)な金を使うのはどうかと思う」「もんじゅは失敗。きちんと総括してやめるべきだ」「無駄と言われても仕方ない」「高速増殖炉は難しすぎる技術で、商業的に成立させるのは難しい」「原子力機構から切り離すべきだ」といった批判意見が寄せられていた。

 「もんじゅの今後」についての質問で「廃炉を考えるべきだ」を選んだのは57.7%、「他機関で継続」は15.5%、「原子力機構で継続」は8.5%。12年に発覚した約1万件の機器点検漏れ後の機構改革で「国民の負託に応える機関になれた実感があるか」との問いには71.8%が「ない」と答え、「ある」は0%。

 原研労組は「回答率が低く、総意ではない」と慎重な姿勢だが、原子力機構で上席研究主幹を務めた田辺文也・社会技術システム安全研究所長は「職員の本音が出た。動いていないもんじゅに年間200億円の税金が投入され、他の研究にお金をかけられない現状への不満もあるのだろう」と指摘する。

 一方、もんじゅ職員が所属する原子力ユニオン敦賀支部(組合員数240人)も勧告後にアンケートを実施したが、非公開。【鳥井真平】

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 ◇日本原子力研究開発機構

 原子力に関する研究と技術開発を担う国立研究開発法人。茨城県東海村や福井県敦賀市など全国10カ所に拠点を持つ。もんじゅを運営していた動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が1995年にナトリウム漏れ事故でビデオ映像を一部カットして公表するなど不祥事が相次ぎ、動燃が改組した核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所(原研)が2005年に合併して発足した。

最終更新:9月18日(日)10時0分

毎日新聞