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積水化学工業、「仮想発電所」の実証実験 住宅蓄電池から既存網へ送電

SankeiBiz 9月19日(月)8時15分配信

 鉄骨プレハブ住宅「セキスイハイム」の積水化学工業は、茨城県つくば市の分譲地で来月から、20軒の家庭用蓄電池を連携させる「仮想発電所(バーチャルパワープラント、VPP)」の実証実験を始める。日本で初めて、家庭用蓄電池で余った電力を電力会社の既存送電網へと流し、効率活用する。ソーラー住宅に関しては2019年に、電力買い取りの条件が有利な固定価格買取制度が約50万棟で終了する。ソーラー住宅の施工数が16万棟を上回り、ギネス記録認定もされた同社としては、国の制度適用が終わった後も、全国の顧客が太陽光発電のメリットを生かせる仕組みを作りたい考えだ。

 筑波山を北に望むニュータウンで積水化学が手掛けた一区画「スマートハイムシティ研究学園」。実験説明会で、同社の上脇太執行役員は「余剰電力は『売る』から『使う』時代へ移る。自給自足が有利となる仕組みを構築したい」と狙いを述べた。2年間の実験で課題を洗い出した上、19年にはVPPの本格展開を始め、同社が建てた全国のソーラー住宅をネットワーク化するのが目標だという。

 1997年にソーラー住宅の販売を始めた積水化学は、すでに東日本大震災前の2010年から5年間、北九州市で先進的な実験を行っている。街区内のソーラー住宅で生じた余剰電力を、余っている家庭の蓄電池から足りない家庭の蓄電池へ遠隔制御で融通するという「街区エネルギー管理システム(TEMS)」の開発だ。

 経済産業省の補助金を受けた今回の実験では、北九州の結果を踏まえ、そこで明らかになった課題を改善している。まず、実験参加世帯に置く蓄電池の容量は、北九州での平均4.7キロワットから同7キロワットへ増やした。北九州での電力自給率は10%増の33%にとどまったが、ためられる電力を多くすることで、さらなる向上を目指す。

 また住宅だけでなく、同社のつくば事業所もネットワークに組み込んで送電することにより、家庭では夜に偏る電力需要のピークを分散させる。

 そして最も画期的な試みが、余剰電力を家庭用蓄電池から既存送電網へと流す「逆潮流」の実施だ。東京電力パワーグリッドの協力などで実現した。

 既存送電網を通じた太陽光パネルからの電力買い取りは、天気予報など発電・需要量を予想した上で行われている。しかし蓄電池から野放図に放電しては、送電網の電圧が不安定になるため現在は行われていない。

 そこで今回の実験では、各世帯の蓄電池をTEMSで一元管理し、どのタイミングで放電すれば送電網の支障を防げるかといった課題の解決を目指す。

 電力融通の手段としては、現在は大半の「スマートタウン」が独自に架設した電線(自営線)を用いているが、既存の送電網を活用できれば、自営線が不要なため大幅なコスト削減となり、さらなる普及が期待される。

 また全国に顧客を持つ積水化学としては、地域を越えて同社が建てた住宅間で電力を有効活用するのが容易になる。そうした“自給自足体制”を「スマートハイム」の特徴として打ち出し、受注拡大につなげるのも将来的な戦略といえる。

 「家庭用蓄電池はまだ高価なだけに、最大限に活用できる仕組み作りも住宅メーカーの責務」と上脇氏は語る。初期投資が割高なだけに、いかにしてランニングコストを抑えられるかが鍵になる。

 VPPをめぐっては、政府がその制御技術を20年までに確立する目標を掲げている。確立すれば、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて弾みがつきそうだ。(山沢義徳)

最終更新:9月19日(月)8時15分

SankeiBiz

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