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炎上する“貧困女子高生”問題 背景には「文化格差」も?

日刊ゲンダイDIGITAL 9月18日(日)9時26分配信

 “貧困たたき”が激しくなっている。NHKが子供の貧困問題を取り上げたところ、そこに登場した女子高校生は、「自宅にアニメグッズがたくさんあり、散在している」「(SNSの投稿内容から)何度も映画を見ている」「貧困はNHKの捏造」とバッシングされ、炎上している。

 自宅までネットにさらされる始末だ。なぜ、貧困問題はネット炎上を伴うのか。複数のNPO法人に関わり、貧困など困難な状況にいる子供の支援に関わってきた荒井ユウスケ氏が言う。

「話題になる『子供の貧困』問題は、所得の中央値の半分を下回る人を指す相対的貧困をいいます。少ないながらも小遣いがある。ところが、衣食住さえままならない絶対的貧困のイメージでとらえる人が多い。そのギャップが、批判を生む大きな要因です。もうひとつ、文化格差も相対的貧困に影響しています」

 情報を読み解く能力の情報リテラシーの乏しさも、文化格差のひとつ。冒頭の女子高生は「パソコンが買えない」と語っていたが……。

「ネットで情報を収集したり、わからないことを調べたりする習慣がない家庭では、たとえばスマホの料金プランを比較することもない。何が得かわからず、店のスタッフに言われるがまま、考えられないような高額の通信料金で契約しているケースがあります。情報リテラシーがある家庭では、信じられないでしょうが、相対的貧困の背景には、そういう事情もあるのです」(荒井氏)

 思春期だと、AKB48やジャニーズ、EXILEなど、露出しているアイドルにハマりやすい。相場を知らず、グッズやチケットを買い漁ると、少ない小遣いがどんどん奪われる。

「貧困家庭の子供たちの多くは、普段切り詰められている分、周りの子たちと同じように『遊びたい』『おカネを使ってみたい』という思いを持っています。その一方、『大学には進学できない』『就きたい仕事に就けない』などと将来に悲観的で、計画的にお金を使うより目の前の楽しさを優先しがちです」(荒井氏)

 こうした行動が、見る人によっては散財にとらえられるのだろうが、子供が明るい未来を描けないというのはつらい。

最終更新:9月18日(日)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL