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え!? ポテトチップスの出荷が減少?「北海道の台風被害」でカルビー株が年初来安値

ZUU online 9月18日(日)16時10分配信

自宅で海外ドラマや映画を観ながら「ポテトチップス」を食べる。筆者に限らず、そんなひと時を愛する人は少なくないことだろう。

そのポテトチップスに異変が起きている。

9月5日、カルビー <2229> は今月予定していたポテトチップスの新商品4種の発売を10月に延期することを決めた。北海道に相次ぎ上陸した台風の影響で、原料のジャガイモの収穫が遅れ、十分な量を確保できないためだ。

その後、カルビーの株価は年初来の安値圏で取引されている。フルーツグラノーラで「わが世の春」を謳歌していたカルビーはこの苦境を乗り越えられるのだろうか?

■原料の約7割を北海道から調達

カルビーが新商品の発売を延期したのは、コンビニ限定のポテトチップス2種に加え、「ア・ラ・ポテト」のうすしお味とじゃがバター味である。ア・ラ・ポテトは10月3日に、コンビニ限定チップスも1カ月程度先延ばしする。

先に述べた通り、北海道で相次いだ台風の被害により、ジャガイモやタマネギの流通に影響が出始めたことが原因だ。

ジャガイモは、主産地の十勝などの畑が水没し、例年なら最盛期にあたる収穫が遅れている。ちなみに、北海道のジャガイモ生産量は全国の8割を占める。そのうち約3分の1が十勝産だ。現状は雨による変色などの被害も発生しており生産量は2割から3割減少する可能性も指摘されている。

カルビーは原料の約7割を北海道から調達している。
同社は新商品延期と原料調達難、原料値上がりの影響を発表していないが、ポテト系スナックの売り上げは前期で52%に達しており、収益への影響が懸念されるところだ。現状では供給の見通しが立たないため、2017年2月以降は米国からの輸入拡大を検討する予定である。

このほか、ポテトチップス業界2位の湖池屋も出荷量の少ない商品の減産に加え、業界3位の「わさビーフ」の山芳製菓も3割減産することを決めている。

■カルビーの株価は台風とともに年初来安値

カルビーは、 8月3日に2017年3月期の第一四半期(4~6月)決算を発表した。売上は617.5億円(3.2%増)、本業の利益を示す営業利益は71.3億円(16.9%増)と見た目は悪い決算ではなかった。

証券市場ザラ場中の14時発表だったため、株価は一時前日比505円高の4720円、12.0%高まで買われたが、引け値は4565円の前日比10円安とマイナスとなった。見た目の数字で買われたものの、通期営業利益は310億円据え置き、進捗率は23%とサプライズのない決算だったからだろう。

その直近高値4720円を境にカルビー株は下落トレンドに入る。超大型台風10号が北海道を直撃し始めたのは8月29日から30日。株式市場は、北海道の被害がカルビーの収益を直撃する可能性があることをよく知っているようで、年初来安値を更新したのがちょうど8月30日だった。

8月30日には、UBS証券が投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も5000円から4000円に引き下げた。これも年初来安値をつけるきっかけとなったようだ。

カルビー株は、9月5日の安値3610円まで下げ続けた。9月5日といえば、カルビーが台風で4製品の発売延期を発表した日である。その後も安値圏で推移しており、市場は見事にニュースフローを反映した動きとなっている。

■スーパーの売り場面積にも注目したい

カルビーといえば、「フルーツグラノーラ」のヒットで株価は人気化、2015年4月には5700円の史上最高値を付けている。たった1年半前のことだ。

フルグラは、時短、健康志向を背景に今までなかった朝食のスタイルとしてヒット商品となった。カルビーは、フルグラを武器にシリアルを第3の朝食として新しい市場を切り開いた。2011年のフルグラの売上37億円が、12年には63億円、13年は95億円、14年は143億円と大成長、2015年には200億円と、わずか4年で約5倍の売り上げとなった。今期もフルグラの成長は続いておりカルビーの主力製品になりつつある。

フルグラのヒットに乗ってカルビーの株価は、2014年3月安値の2275円から2015年4月高値の5700円まで2.5倍に上昇した。

スーパーマーケットで買い物をしていると、フルグラの売り場面積はどんどん拡大している。一方でポテトチップスの売り場面積は今後どうなるのだろうか? そういった視点から株価をチェックしてみると新たな発見があるかもしれない。

個人的にはカルビーが天災の影響を乗り越えて、成長を取り戻せるように応援したいところだ。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

最終更新:9月18日(日)16時10分

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3830円、前日比-15円 - 9月28日 10時48分