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「hacozen」の箱膳:「お米が主役」

ZUU online 9月18日(日)20時10分配信

■日本の伝統的な食文化を現代の暮らしに再提案

「箱膳」を知っていますか。

テレビや時代劇でときどき見かけることもあるかと思います。一人分の器を収納する箱で、食事の際には蓋を返してお膳として使える道具。明治から昭和にかけての食生活や生活様式の変化から、その姿を消しました。

そこで、現代の様式に合わせてリライトしたのが「hocozen」が展開する箱膳。

メイプルの天然木にウレタン塗装を施した「クラシック」「メイプル」、そしてウォルナット製の「ウォルナット」。伝統的な形状やサイズ感はそのままで、見た目の重厚感や実際の重量を軽減。材質や塗装で現代的な空気感を表現して、使いやすく仕上げました。いずれも神奈川県小田原市の伝統木工芸技術。光沢感を抑え、木の質感や表情を生かしています。

箱膳に合わせて、石川県の木地師が製作したケヤキ材の「ふき漆」や、トチ材に炭を混ぜた漆を施したマットな質感の「炭漆」など、オリジナルの器もそろえています。

箱膳を現代の生活に“リボーン”させたのは、「hacozen」プロデューサーの高橋裕さん。日本の食文化を勉強していくうちに知った箱膳を、現代の暮らしに再提案しようと生み出しました。

「かつては1人に1つずつ箱膳が与えられていました。食べるときはお膳になり、食べ終わると道具を収納する。とても機能的で合理的です。コンパクトで機能的というのは、日本文化の象徴だと思うのです。現代の家電もコンパクトさと機能性と合理性が追い求められていますよね」

和食がユネスコ無形文化遺産になるなど、その魅力が見直されている日本の食文化。箱膳にはそうしたものが凝縮されているのだと高橋さんは言います。

■ファッション感覚でお米を楽しむ

高橋さんは、ファッションブランドを立ち上げて、セレクトショップや百貨店などで展開してきたファッションデザイナー。その傍ら、フードイベントを10年間にわたって主催してきました。そうした経験を生かして、「ごはんをファッション感覚で楽しむ」というコンセプトのもと、2014年に「hacozen」を立ち上げました。

フードイベントを開くうちに、食の背後にある文化や歴史などにも目を向けるようになり、いつのまにかお米に特化するようになったという高橋さん。米どころである新潟県十日町が出身だったこともあり、故郷の後輩がつくるお米を取り寄せ、3年前に東京・広尾で「おにぎりバーゆたか」を1年間にわたって運営。玄米と分搗き米と白米の食べ比べをしたり、後輩がつくる蕎麦の実をお米に混ぜて炊いたりと、ユニークなイベントを定期的に開催してきました。

そんな高橋さんが「食とファッションをつなげたい」と思い始めたのは、現在のファッション業界に対して、そして日本人のお米への意識に対して、ソリューションを生み出したかったからでした。

「80、90年代に比べ、今はどこのファッションブランドの服も似たりよったり。ファッションビルを歩いていてもつまりません。でも、会社帰りにファッションビルでお米を買えるお店があったらいいなあと思ったのです。多くの人たちは、どんなおかずであっても同じお米を買い続けています。でも、料理に合わせてワインを選ぶように、おかずに合わせてお米を選んでもいいですよね。今夜は和食だから和食に合うお米、週末は彼とカレーライスを作って食べるからカレーに合うお米というふうに、お米をファッション感覚で気軽に楽しんでほしいのです」

ごはんを食べる器をはじめとした空間全体をディレクションすること。そして、お米を楽しむライフスタイルを提案していくこと。「hacozen」は、ファッションデザイナーとおむすびバー店主といった経験を持つ高橋さんだからこそのお米文化普及のカタチです。

■ごはんを おいしく 楽しく かわいく

とは言え、多くの家にはダイニングテーブルやちゃぶ台があり、日常生活の中で箱膳の出番は極めて少ないのも現実。それを承知の上で、あえて箱膳の販売を始めたという高橋さん。

「箱膳をみたときに、『かわいい!』と思ったのです。それって洋服感覚だなと。洋服を買うときって、機能よりも、ぱっと見で決めることってありますよね。ある程度の機能さえあれば、極端に言えば着づらかったり扱いにくかったりする服も、かわいいから買うということだってあります。箱膳も僕たちの普段の生活には必要のない道具ですが、『かわいいから買っちゃった』という感覚もいいと思うのです」

たとえば、正月やお盆に箱膳を使ってみたり、箱膳を使って和食を食べるイベントを開いてみたり、外国人観光客に箱膳を体験してもらったり。箱膳は、人と人をつなぐきっかけにもなりそうです。

「ごはんは、ごはんそのものだけではありません。ごはんをよそう器やごはんを食べる空間まで広がっていきます。もっと気軽に、ごはんをおいしく楽しんでもらいたいですね」と高橋さん。行く場所やシチュエーションによって服を着替えるように、季節やごはんの種類によって飯椀を使い分ける。hacozenの道具をきっかけに、ごはんの楽しみ方が広がりそうです。

■お問い合わせ
hacozen
商品名:箱膳
価格:箱膳(クラシック)4万8600円、(メイプル)5万9400円、(メイプル小)5万1840円、(ウォルナット)7万200円、(ウォルナット小)6万2640円※いずれも税込
http://hacozen.jp/
オンラインストア
https://hacozen.stores.jp/

【催事】
・有楽町ロフト『ロフトごはんフェス』
 期間:8/8-9/11
 展開品:こめかん雪国美人米、いろいろ米、メイプル箱膳(クラシックタイプ)など、ごはんにまつわるオリジナルアイテムを展開。

・名古屋栄三越6階キッチンダイニング『からだを変えよう 朝和食のススメ』
 期間:8/24-9/13
 展開品:こめかん雪国美人米、いろいろ米、箱膳(新作4種)、他オリジナル品・作家アイテムで”朝和食”をテーマに展開。(飯碗、箸置き、豆皿等)

【常設】
・伊勢丹新宿店 5階 ウエストパーク
 展開品:箱膳(新作4種)
 →箱膳のみ展開(メイプル・ウォルナット素材のそれぞれ大小サイズ、5月より販売開始の新作デザイン、店頭ディスプレイはウォルナット素材のみ)

写真提供:hacozen

取材・文/柏木智帆

《プロフィール》
柏木智帆
フリーランスライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材活動をする中、生産の現場に立つために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたって千葉県で無農薬米をつくりながらおむすびのケータリング屋を運営。2014年秋からは消費や販売に重点を置くため都内に拠点を移して「お米を中心とした日本の食文化の再興」と「お米の消費アップ」をライフワークに活動。神奈川新聞契約ライター。「日常茶飯」をテーマにお米とお茶のお取り寄せサイト「和むすび」(http://www.wa-musubi.jp)を運営

(提供:プレミアムジャパン)

最終更新:9月18日(日)20時10分

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