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新規作物で農業振興 北塩原村、来年度にも公社設立

福島民報 9月18日(日)12時16分配信

 福島県北塩原村は今年度、耕作放棄地を活用した海外原産の新規作物栽培や、オーストラリアの国鳥「エミュー」の飼育など新たな事業に取り組んでいる。平成29年度にも農業振興公社を設立し、各事業を本格的に進める。公社は体験ツアーなども開催し、基幹産業の農業を軸とした地域活性化につなげる。
 村は今年度、村内3カ所の耕作放棄地計約18アールで南米原産の穀物「キヌア」と野菜「アマランサス」、北米原産の作物「キクイモ」を栽培し、商品化に向けた実証実験を進めている。いずれも栄養価が高いと注目を集める農作物で、今後の需要が見込まれるという。
 エミューは12羽を試験的に飼育している。寒暖差に強く、育てるのが容易で、卵や肉、脂肪、皮など全部位が製品化できる。特に脂肪から精製するオイルは高価で1羽から6リットル程度確保できる。1リットル当たり約4万円で取引されるという。降雪期でも飼育できるよう、年内に同村大塩地区に屋内施設を整備する計画だ。3年間かけて繁殖から卵のふ化までを行い、飼育拡大が可能かどうか判断する。
 振興公社の体験ツアーは、村内に年間約250万人訪れる観光客らを対象とする。民宿などに泊まり、旬の野菜を収穫してもらうなどして誘客の拡大を目指す。
 公社設立に向けては村が今年度中にも農家に対して耕作放棄地の実態や土地の貸与、売却する意思があるかどうかなど農地集約に関する意向調査を実施する。村の農家数は22年が208軒だったのに対し、27年は181軒まで減少した。耕作放棄地は全農地774ヘクタールのうち約2割に当たる142ヘクタールに上るため、利活用が課題となっている。
 一方、村は今年3月に東京農大と包括連携協定を結んでおり、6次化商品の開発や新規就農者対策などに共同で取り組んでいく。
 小椋敏一村長は「新規作物やエミューの導入は農業の活性化につながる。関係機関と連携し、スピード感を持って施策を進めたい」としている。

福島民報社

最終更新:9月18日(日)12時49分

福島民報