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ハワイ固有の生態系危機 「静岡こども環境大使」体感

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月18日(日)15時0分配信

 地球規模で環境問題を考えるリーダーを育成する「静岡こども環境大使派遣事業」(静岡新聞社・静岡放送、静岡県主催)で、静岡大付属静岡中3年加藤穂乃佳さん(14)、富士宮市立富士宮第一中1年白鳥心咲さん(12)、静岡大付属島田中2年水木美晴さん(14)、静岡雙葉中1年深津真彩さん(13)の4人が8月16~23日、米ハワイ州のハワイ島で環境学習に取り組んだ。



 ■外来種拡大、影響に驚き

 大使らは、今なお噴火が続くキラウエア火山を有するハワイ火山国立公園を訪れた。ハワイ州は無数の島から成るが、島は全てマグマが噴き出すホットスポットとプレートの移動によってできた。大昔に海を渡ってきた生物は、独自の進化を遂げている。

 「ネネ(ハワイガン)」は、カナダガンが溶岩の上を歩くために水かきをなくした姿だとされる。赤い花が特徴的な植物「オヒアレフア」は、生育する環境によって背丈や葉の形を変えることが知られている。

 しかしこうした固有種が、人間が持ち込んだ外来種によってすみかを奪われている現状がある。植物では固有種が約千種類なのに対し、外来種は5千種以上確認されている。国立公園内では職員やボランティアが外来種の駆除に取り組んでいるが、公園の外までは手が回らない。

 景観をよくするために植えられた色鮮やかな花や個人が庭に植えたことをきっかけに広がった植物など、ほとんどの外来種が人間の勝手で持ち込まれた。

 同行したコーディネーターの新谷雅徳さん(47)=富士宮市=は「もともとの生態系を壊したのも人間だが、今は問題に気付いて多くの人が守ろうと努力している」と説明した。

 白鳥さんは「外来種が悪いのではなく、安易な考えで持ち込んだ人間が悪いのだと思った」と険しい表情。加藤さんは「外来種を持ち込めば、後にどんな影響があるかをしっかり考えなければいけない」と話し、そのためには「まず人間が知識を身に付ける必要があると思う」と分析した。



 ■「海洋水発電 日本も」 温度差利用、試験運用施設を見学

 ハワイ州は2045年までに、利用するエネルギーを全て再生可能エネルギーに転換する方針を打ち出している。大使は州立自然エネルギー研究所(NELHA)を訪れ、海水の温度差を利用した「海洋温度差発電」(OTEC)の研究施設を見学した。

 電力に関してハワイは日本同様、化石燃料に依存してきた。OTECは深海からくみ上げた海洋深層水と海洋表層水の温度差を利用してエネルギーを取り出す。研究者は「風や太陽光と違い海水は安定的な供給が可能」とメリットを解説。大使は試験運用施設を間近で見た。

 深津さんは「同じ島国の住人として、化石燃料に頼らないエネルギーの供給を目指すハワイの取り組みは人ごとではない。海洋水を活用するアイデアは、日本でも取り入れることができると思う」と話した。



 ■取り組みを発表 現地学生と議論、フラやウクレレも学ぶ

 大使らは国立公園や現地の学校などで自らの取り組みを発表したほか、ハワイの学生らと議論も交わした。コナワエナミドルスクールでは、白鳥さんがウミガメの保護活動について発表。同校の生徒から、ハワイでは小売店でのビニール袋の使用やウミガメに近づくことが法律で禁止されていることを聞いた。学生からフラやウクレレなどの文化についても学んだ。

 大使らはハワイ環境大使のイヴァ・ベイツさん(15)やセイゾウ・ヒラタさん(14)らからプウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園の案内も受けた。

 水木さんは「学生たちがハワイの歴史や環境問題について博識ですごいと思った。私ももっと日本や静岡のことを勉強したい」と決意し、深津さんは「日本や静岡に関心を持ってもらえるように、海外の人に魅力や問題を発信できるようになりたい」と力を込めた。

静岡新聞社

最終更新:9月18日(日)20時16分

@S[アットエス] by 静岡新聞