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中国パラは海外宣伝材料 「金」量産も国内向け中継少なくメディアに批判殺到

産経新聞 9月18日(日)7時55分配信

 リオデジャネイロ・パラリンピックで、中国選手団の金メダルラッシュが止まらない。16日現在で金94個を含む217個のメダルを獲得。金メダル数、メダル総数ともに4大会連続でトップとなることは確実だ。ただ、中国国内ではその活躍が伝えられることが少なく、五輪と異なる扱いをする国営メディアに批判が殺到している。(川越一)

 ◆北京きっかけ

 1984年に初めてパラリンピック(当時は世界車椅子競技大会)に参加した中国が、メダル数でトップに躍り出たのは、2004年アテネ大会だった。金メダルは前回シドニー大会の34個から63個に、メダル総数も73個から141個と激増した。

 急激な躍進の背景には、08年北京大会の開催が決まってから、共産党政権が威信をかけて着手した国を挙げた強化策がある。

 中国障害者連合会の郭建模理事長(当時)が03年、中国メディアに語ったところでは、それまで中国の障害者スポーツは「体力や苦しい練習に頼る種目」に集中していた。小型車並みに高価な競技用車いすは使えず、郭氏は「経費不足が障害者スポーツの発展を妨げていた」と述懐していた。

 ◆集中的に強化

 国家体育総局は障害者スポーツへの財政支援を拡大。8500万人ともいわれる中国国内の障害者の中から素質のある選手を発掘し、集中的に強化してきた。同連合会の統計では現在、中国の障害者選手は270万人を数える。日常的にスポーツに親しむ障害者も600万人に上る。

 北京大会の直前には、約20の競技施設を備える世界最大の障害者用トレーニングセンターが完成。国内の練習拠点は約220カ所もある。かつては30人に満たなかった障害者スポーツの指導者の育成にも力を入れ、300人を超えるまでになった。

 ある競泳コーチは「国が技術や用具、コーチや選手の育成に多くの資源を投じてくれた」と説明。国際パラリンピック委員会のクレーブン会長も、こうした中国方式を他の国・地域の「手本」と称賛する。

 ◆「底辺で生活」

 もっとも、手厚い支援を受けられる障害者は選ばれた選手に限られている。中国メディアは「多くの障害者は社会の底辺で生活している。健常者から遠ざけられ、軽蔑されている。多くは道端や地下鉄駅で物乞いをして、同情にすがって生きている」と指摘する。

 選手についても、国際的なイメージアップにつながる強化は続けているものの、国営テレビは大会をほとんど中継していない。中国国民が選手の活躍を目にする機会は極めて少ない。

 中国のインターネット上には「中国選手団は出色の活躍をしているのに、誰も知らない。彼らだって中国を代表している。彼らを平等に扱えないのか」といった意見が寄せられている。

 サッカー強化を“国家事業”に位置づける習近平政権にとって、パラリンピックは対外的な宣伝材料にすぎない。中国の障害者を取り巻く環境は、郭氏が「地位向上」を訴えた13年前から変わっていない。

最終更新:9月18日(日)8時2分

産経新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。