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小島監督流HDRや4Kとは? 『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』の発売時期も見えたイベントをリポート【TGS 2016】

ファミ通.com 9/18(日) 17:36配信

文・取材:編集部 ブラボー!秋山、撮影:カメラマン 永山亘

●大観衆が詰めかけたファン大注目のステージイベント
  2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。その最終日となる19日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントブースにて、コジマプロダクションの小島秀夫監督、アートディレクターの新川洋司氏が登壇したイベントが開催された。

 このステージイベントは、気になる『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』やコジマプロダクションについて、世界中のファンから寄せられた質問に小島・新川両氏が答える形式で行われた。

 『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』のティザームービーに続き、小島秀夫監督と新川洋司氏が登壇。大きな拍手と歓声に迎えられた。

 ステージ前は立錐の余地もないほどの人、人、人。いかにコジマプロダクションの作る最新作への関心が高いかが分かろうというもの。イベント冒頭に、今年のE3に小島監督が登場した際の映像が流されたが、今日のイベントもそれと引けを取らない。小島監督がTGSのステージに上がるのは2年ぶりとなるが、第一声は「ただいまー!」だった。2年ぶりに、ユーザーと同じ感覚で味わうTGSの空気感は感無量とのことだ。新川氏はまず集まった観客の多さに驚きつつ、緊張していると語った。

●レンタルオフィスからスタート、開発環境も一新
 前述の通り、このイベントはファンからの質問に両名が答える形式。気になる疑問に対して、真摯に、ときにユーモラスに答えてくれた。

 質問コーナーに入る前に、コジマプロダクションが設立された経緯について聞かれた小島監督は「ひと言で言うと、世界中のみなさんが遊びたいゲームを作るためだけです」と明言。世界中のファンが望んでいるゲームとはと聞かれ、監督がこれまで作ってきたゲーム、つまりいわゆるAAAクラスのハイエンドで、ストーリーやテーマ、ゲーム性もあり、ボリュームもクオリティーも高く兼ね備えたゲームだと定義した。
 『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』はいったいどんなゲームなのかについては、さまざまな要素が詰まった小島監督の作るゲーム、ティザー映像にもあったように“A HIDEO KOJIMA GAME”となるわけだ。また、新たに起業して不安はなかったかという質問には、テクノロジーは進化しつつも、これまで30年間やってきたことをやるだけなので「全然不安はないです」と断言した。

 続いて、いよいよ質問コーナーへ。最初の質問は、コジマプロダクション発足当時のことについて。ここで、当時の貴重な写真が公開された。最初は4人でスタートしたというのは有名な話だが、四畳半のレンタルオフィスに拠点をかまえたそうだ。小島監督の作業スペースも当然広いわけではなく、ノートPCやPS4など、必要最低限のものしか置けず、また新川氏に至っては「机がなく、膝の上で作業をしていました」と当時を懐かしんだ。打ち合わせも喫茶店で行っていたそうだ。もちろんいまは新たな事務所を借り(新川氏がオシャレな場所にこだわっているらしいが……)、開発機材も揃え、人材も毎週のように面接を行っているとのこと。いずれ、会社内部の様子は公開してくれるそうなので、楽しみに待とう。「ゲームエンジンが決まったと聞きましたが?」というMCからの質問に、「ようやく決めました」と小島監督。まだ公表できないものの、市販されているエンジンではなく、某有名スタジオのエンジンを使わせてもらいながら、コジマプロダクションからもフィードバックを行い、技術協力をしながら、さらにそのエンジンをブラッシュアップしていくそうだ。

 さて、ここから余すところなく、たっぷりとQ&Aコーナーの内容をお伝えしよう。

Q.PS4 Proが発表されましたが、『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』はそれを視野に入れていますか?
A.はい。HDR(ハイダイナミックレンジ)と4Kに対応します(小島監督)
「HDRは“ヒデオレンジ”です(笑)。そして、僕らの4Kは“きれい! キレてる! 来まくっている! 小島!”です」と小島監督が言うと、会場からは大きな拍手が起こった。

Q.オンラインで遊ぶゲームだと聞きましたが、ひとりでもプレイできますか?
A.はい。オープンワールドですが、ひとりでも当然遊べます。(小島監督)
 『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』でのオンラインプレイは、従来のCo-opや対戦とは違う、まったく新しいオンラインプレイになるそうだ。“ほかのプレイヤーと協力プレイをする”という概念自体が、本作にはそもそも適さないようだ。

Q.メカは出ますか?
A.やっぱり欲しいですよね。二足歩行メカがやりたいです!(新川氏)
 「これで、裸のオッサンと子どもとカニ、そしてメカが揃いました」と小島監督。やはり、新川氏がデザインする二足歩行メカに期待していたファンも多いようで、ここでも大きな拍手が起きた。

Q.キャスティングは完了していますか?
A.まだまだ進行中です(小島監督)
 一部決まっているキャストもいるが、まだまだ探している最中で、女性も登場することになるという。

Q.ノーマン・リーダスさんを起用した理由は?
A.僕が昔からファンで、このゲームは“ノーマンありき”で考えました(小島監督)
 ご存知の通り、ギレルモ・デル・トロ監督とノーマン氏の3人で進めていたゲームのプロジェクトがあったのだが、その企画がなくなった後も親交は続き、頻繁に連絡を取り合っているそうだ。現場でのノーマン氏を監督は「ナイスガイで、やんちゃだけど気を遣ってくれる人」と評した。

Q.実在の俳優がキャスティングされている場合、どのようにデザインするおか?
A.実際に会うことでイメージが固まったり、服装が重要です(新川氏)
 やはり『ウォーキング・デッド』のイメージが強いノーマン・リーダスだが。もちろんふだんの彼はそれとは違うわけで、また性格などは服装に現れるという。本作では、こんなゲームキャラクターは見たことがない、という新しいヒーロー像になると監督。

Q.Twitterで、今年のコミコンの時期に、監督と俳優のマッツ・ミケルセンがいっしょに写っている写真が投稿されていたが、どういった関係なのか?
A.マッツさんも僕が大ファンで、これから友だちになります(小島監督)
 マッツ・ミケルセンを有名にした映画『プッシャー』のニコラス・ウィンディング・レフン監督と親交がある小島監督が、連絡先を聞き出し、コミコンで初めて会うことが叶ったそうだ。映画監督や俳優など、好きになったら会いたくなるので、さまざまなルートや人脈を駆使して、会うチャンスを作っていると監督。

●発売日に関する気になる発言も
Q.ズバリ、発売日はいつですか?
A.言えないけど、発売日は決まっています(小島監督)
 無計画ではなく、企画の最初の段階から、発売時期を設定し、その時期から逆算してスケジュールを経てていて、現在もそこに向って進行していると明言。ヒントとして、「(東京)オリンピックより早いですし、もっと言えば映画『AKIRA』の舞台よりより早いです」と小島監督。東京五輪は2020年、『AKIRA』は2019年だが、それよりも早い発売日が設定されているそうだ。

Q.シリーズ化される予定はありますか?
A.まだ発売されていないので(笑)。人気が出れば(小島監督)
「僕は『V』くらいまでやりたいです」とは新川氏の弁。また、小島監督は前述のレフン監督から、「ヒデオは新しいものを作らなければならない。から、続編は作るべきではない」と言われたそうだ。そのためには主人公を殺せばいいとレフン監督。しんこうのあるレフン監督からは、会うたびにそうアドバイスされると笑った。


Q.『METAL GEAR SURVIVE』は、監督のアイデアだというウワサがありますが?
A.全然関係ないです(小島監督)
 「僕の中では」と前置きしたうえで小島監督は、『メタルギア』は政治的なフィクションかつエスピオナージ(スパイ)ものなので、そもそもゾンビが登場するわけがない。小島監督の最後の事案というウワサについても、今度は新川氏が「違うと思いますよ、僕も関わっていないし。僕だったら、二足歩行メカを出しますから」と強力(?)なフォローを入れた。

Q.『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』の“なわ”的なつながりについて、もう少し教えてください。

 これまでも小島監督が何度か答えているように、ゲームの進化の中心にはつねに棒があり、本作ではその先にある“縄”でつながるようなことを、アクションゲームで体感させたいのだという。そのため、物語や世界観もそこに集約されているのだそうだ。小島監督とファン、小島監督と俳優、小島監督とSIE……こうしたつながりの上に制作されているので、ゲームをプレイすればより実感できるようだ。

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●あっという間にイベント終了の時間に……
 今回答えられなかった質問や、新たな疑問については、インタビューやSNSを通じて答えていくという。気になることがあれば、ぜひTwitterなどでアプローチしてみよう。最後に、つぎのようなメッセージを残してイベントは大盛況のうちに終了した。

「どのくらいの人が来てくれるのか心配でしたが、すごくたくさんの人に来ていただいて、ありがとうございました。これからも、新しい、いままで見たこともないようなおもしろいゲームを作っていきたいと思います」(新川氏)
「みなさんとの“つながり”を、いまヒシヒシと感じています。我々はインディーズなので、僕らが少人数で棒で戦っても勝てません。世界中にはみなさんがいて、みなさんとつながっているので、そういったゲーム作りをしていきたいです。必ずいいものを作って、みなさんに喜んでもらえるようにしたいと思っています」(小島監督)

 HDRに4K、想像以上に早いと感じた『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』の発売時期……今後も本作も続報やコジマプロダクションが発信するメッセージを注視したい。

最終更新:9/18(日) 18:58

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