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英抜きEU同床異夢 首脳会合で仏独並び会見も伊「不満」、ハンガリー「失敗」

産経新聞 9月18日(日)7時55分配信

 ■離脱通知「1~2月」

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)の英国を除く27加盟国は16日、スロバキアの首都ブラチスラバで開いた非公式首脳会合で、移民、治安・テロ、経済の3分野で今後6カ月間で取り組むべき優先課題をまとめた「行程表」を作成した。英国抜きの将来に新たな一歩を踏み出した形だが、前途はなお多難だ。一方、EUのトゥスク大統領は会合後の記者会見で、英国のEU離脱通知は「来年1~2月には準備が整う」との見通しを示した。

 首脳らは「市民が信頼、支持できる魅力的なEU像を提示する」とする「ブラチスラバ宣言」を発表。「行程表」には防衛協力向上の計画策定や域内投資の拡充などが盛り込まれた。

 「重要な一歩だが、長い道程の一歩にすぎない」。メルケル独首相は会合後の記者会見で成果をこう評し、横に立ったオランド仏大統領は「欧州は前進せねばならない」と力説した。両国首脳がEUの会合後に共同会見するのは異例で、EU牽引(けんいん)の両輪としての責任感をにじませた。

 英国を除いた27カ国にとっては、EUの信頼回復に向けた取り組みが急務だ。欧州統合を本格化させたローマ条約調印から60周年となる来年3月には、将来に向けた新たな「指針」を打ち出すことを描く。

 ただ、今回の会合直後から、加盟各国の間のほころびが露呈した。レンツィ伊首相は「経済成長と移民対策の結論に不満だ」と表明。仏独首脳の会見に加わることも断ったという。

 ギリシャのチプラス首相は、「規則が機能するには例外が必要」などとEUの財政緊縮への批判を展開。ハンガリーのオルバン首相は、批判してきたEUの移民分担策などで転換がみられず、「会合は失敗だ」と強調した。

 会合では仏独首脳やトゥスク氏が各国との事前調整に奔走したが、「結束」を優先し、財政や移民受け入れの分担など、加盟国が対立する問題を棚上げしたため、逆に不満が噴出した形だ。「衝突を避け、ダメージを制限するので精いっぱい」(EU当局者)で、先行きに不安を残した。

最終更新:9月18日(日)7時55分

産経新聞