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<パラ・サッカー>王国、黄金の記録 ブラジルV4

毎日新聞 9月18日(日)23時28分配信

 これぞ王国の底力。ブラインドサッカーと呼ばれるサッカー5人制(視覚障害)決勝でブラジルが1-0でイランを降した。競技が採用された2004年アテネ大会から無敗記録は途切れず、4大会連続金メダルの快挙。このうち3大会に出場し、この日の決勝点を挙げた主将のリカルド・アウベス(27)は、ブラインドサッカーの黄金期を築いた英雄として、後世に語り継がれるだろう。

 中盤でボールを受けたアウベスが前を向いた途端、観客は息をのむ。相手の守備をぎりぎりまで引きつけて抜き去るドリブル、逆サイドにぽつんと立つ味方の足元へピンポイントでつなげるパス、緩急をつけて一人で持ち込んでからのシュート。アウベスの目隠しだけは透けているのかと疑ってしまうはずだ。

 もう失明しているアウベスには目隠しの有無など関係ない。だが8歳で網膜剥離を発症するまでにその目で見た、色、物、形の鮮明な記憶がプレーの助けになっているという。失明してすぐにブラインドサッカーに出合えたのも幸運だった。点字で授業を受けられる小学校に転校するため、家族全員がアウベスと共に引っ越した。

 アウベスは大会前にブラジルメディアのインタビューでこう語っている。「多分、みんな何かしらの才能を持っているのだと思う。大事なのは、それが何であるのかを見つけ、伸ばすこと。私は他人より優れているわけではない。サッカーという、一つのことを上手にできるだけなのだから」。謙虚な振る舞いも人々から尊敬される。【朴鐘珠】

最終更新:9月18日(日)23時28分

毎日新聞

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