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平昌五輪 韓国がメダル量産作戦に向け、なりふり構わぬ「特別帰化」を量産 「二重国籍もOK」に世論もドン引き

産経新聞 9月18日(日)12時15分配信

 韓国スポーツ界は16カ月後の平昌五輪で20個のメダル獲得を目標にぶち上げている。冬季五輪で過去最高はバンクーバー大会の14個(金6・銀6・銅2)だが、上積みするにも得意種目はショートトラックとスピードスケートぐらい。そこでなりふり構わず外国人選手を「特別帰化」で取り込み、脆弱競技を補填してメダル量産につなげようと躍起になっている。ただ、純血主義が強い韓国では外国人の帰化に消極的だった。それだけに国民の一体感が得にくいとか、長期的なスポーツ発展に役立たず「韓国スポーツは枯死する」などと物議を醸している。財政難などで運営面に様々な支障が出ているが、競技面でもあやうさが満載だ。

 2011年に改正国籍法として施行された「特別帰化」。科学や経済、文化、スポーツなど特定分野で非常に優秀な能力を有し、韓国の国益に寄与すると認められた者に限って許可。これまでにスポーツ分野で約10人が帰化したとされる。本人の既存の国籍を放棄しなくてよく、いわば二重国籍が認められている。一般帰化が19歳以上で、韓国に5年以上居住し、6000万ウォン(約540万円)以上の資産を有するなどしていなければならないのとは大違いの緩い基準だ。

 中央日報によると、韓国スケート連盟は8月29日、平昌五輪に備えて米国籍選手2人の特別帰化を大韓体育会に申請した。「不毛地当然」(SBS)と揶揄されるアイスダンスとペアの2種目だ。「国民の妹」と称されるキム・ヨナの活躍によって人気競技のフィギュアだが、彼女の引退後、シングルでも後継者が育たず、国民の間でキム・ヨナの現役復帰待望論がくすぶるほどだ。人材不足を裏付けるように昨季のGPシリーズでは芳しい結果を残せていない。

 フィギュアはソチ五輪限りで開催国の自動出場権が撤廃され、実力で出場権を獲得しなければならなくなった。短期間で成果が望める優秀な外国人選手を帰化させる強化計画が推進されており、今回の申請はその一環なのだ。

 その特別帰化選手が成果を出し始めている。8月27日にエストニアで行われたバイアスロン夏季世界選手権女子スプリントでロシア出身のアンナ・プロリナが銀メダルを獲得した。バンクーバー五輪で4位の実績を持つ実力者なのだ。バイアスロンで韓国史上初のメダルを獲得し、開催国出場権のない同種目で、世界ランク22位に与えられる出場権に向けて男女とも25位からのランクアップの相乗効果が望まれるだけでなく、平昌五輪でのメダル獲得の「可能性を高めた」(聯合ニュース)と期待感は募るばかりだ。

 さらに、朝鮮日報によると、世界最強を誇るドイツからリュージュで世界1位になったことのある女子選手の特別帰化が進められている。同紙は彼女のメダル圏内への進出だけでなく、団体戦への相乗効果を見据える。

 あまりのあからさまに鼻白む思いだ。それは韓国民も世論が二分するほど。支持派は、薄い選手層の不人気種目には大きな助けとなるとか、実力のある選手を迎えて五輪で好成績を出すことができるなどと主張する。確かに自国開催でそれなりの存在感を示せなければ国威発揚にならず、3兆ウォンに膨張するといわれる予算を投じた見返りがなければ、国民の反発は計り知れない。

 ただ、近視眼的な成果を危惧するのが反対派だ。単にメダルのための帰化推進は勝利至上主義に埋没した韓国社会を代表するものであり、韓国の基本的な知識と愛情のない帰化選手たちは実質的に韓国スポーツ発展に貢献するとはいえないと強調する。さらに過酷な環境で努力している国内組の選手のモチベーションを低下させ、脆弱な底辺をさらに弱体化させ、韓国スポーツの底辺を枯死させると懸念する声が出ている。

 毎日経済によると、韓国には多くの冬季種目でプロや実業リーグがない。帰化選手が五輪終了後に韓国に残っても、その種目の競技力向上に努めることを期待するのは難しいだろうというのだ。行き当たりばったりの施策の何ものでもない実情をうかがわせる。

 どちらかといえば、反対派の意見が多く散見される。12年にはサッカーでブラジル出身選手を特別帰化させようとしたが、大韓体育会は「韓国人として最小限の素養を備えていない人に韓国籍を与えるのは望ましくない」と純血主義を強調し拒否した経緯があった。

 韓国メディア「スポーツ・g」は、韓国スポーツの発展と国益のために選手の特別帰化を奨励すべきか。それとも実質的に韓国人の役割を果たしていない選手たちの帰化は認められないか-として読者に賛否を問うている。

最終更新:9月18日(日)12時15分

産経新聞