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中国杭州G20 集まったメディアは5千人超 初議長国を努めた中国の「統制」と「圧力」は欧米メディアの猛反発を呼んだ…

産経新聞 9月18日(日)14時15分配信

 中国・杭州で4、5の両日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれた。国内外から5千人超の記者が集まり、初の議長国を務めた中国の一挙手一投足に注目が集まった。習近平国家主席は「実りある成果を得た」と成功を強調するが、その舞台裏ではメディアに対する締め付けなど強引な運営で欧米メディアと摩擦を生む場面が目立った。過度の統制という、いつもの“中国流”のやり方が、国家の威信を懸けた晴れの舞台に影を落とした格好だ。

 トラブルは、G20首脳会議の前日から発生した。会議に出席するため訪中したオバマ米大統領が3日、空港に到着した際、出迎えの中国側職員が大統領随行記者に対してオバマ氏から離れるよう指示。米国側担当者は善処を求めたが、中国側職員は「ここはわれわれの国だ。われわれの空港だ」と怒鳴り返した。米FOXニュース(4日、電子版)は「現場はちょっと混とんとしていた」と混乱ぶりを描写。その上で「海外記者は、敏感な話題を取り扱おうとして妨害に遭うことがしばしばあるが、政府関係者と口論になることは珍しい」と閉口した。

 オバマ氏が大統領専用機から滑走路へと降りる赤じゅうたん付きのタラップ(移動式階段)が用意されていないトラブルもあり、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(5日、電子版)によるとインターネット上で「空港」も検閲対象用語になった。ロイター通信(3日)は「イメージ重視の(中国)共産党が、欠点のないイベントにすべくメディアをコントロールしようとした実例だ」と指摘した。

 イメージ重視ということでは、中国なりに記者が取材しやすい環境をつくろうとした努力もうかがわれる。メディアセンターは、飲食物やネット環境、ボランティアスタッフなどを充実させたが、メディアにとって最も重要な取材機会の充実は二の次だったようだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(3日、電子版)は、会場内外の過度に厳しいセキュリティーが取材の妨げになっていたと強調する。同紙によると、複数の政府代表団の報道担当者がセキュリティー上の問題で記者と接触機会を持つことが難しく、ブリーフィングの実施に四苦八苦したという。

 中国に付きもののネット検閲も相変わらずだった。サウスチャイナ・モーニング・ポストは、習氏の夫人・彭麗媛氏が会場で見せたドレス姿を絶賛した上で、「しかし、会議期間中の重度のオンライン検閲で、彼女のファンはネット上に称賛コメントを埋められなかった」と皮肉った。

 オバマ氏は自身も巻き込まれたトラブルについて「こういうことが起きるのは初めてではない」と努めて冷静に振る舞った。しかし今後も中国が大国を自任し、大規模な国際会議を開催するようなら、それにふさわしい態度で臨むことが求められていることは言うまでもないだろう。

最終更新:9月18日(日)18時27分

産経新聞