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多収性の大豆「里のほほえみ」 作付け3割増 豆腐用に需要 東北、北陸で広がる

日本農業新聞 9月18日(日)7時0分配信

 大豆の多収性品種「里のほほえみ」の作付けが拡大している。今年、全国の栽培面積は前年度に比べ29%増える見込みだ。従来種が小粒化し品質、収量の低下が目立っていた東北、北陸地方で特に広がる。豆腐原料として引き合いも強いため、「今後も主要品種として転換する地域は増える」(JA全農)見通しだ。

 2016年度に「里のほほえみ」を作付けするのは栃木、山形県など7県で、延べ面積は6681ヘクタール。品種別では5番目の多さになる。

 11年度から栽培に力を入れている山形県では今年初めて、作付け首位だった「エンレイ」を抜く。県内産の7割にまで達する予定だ。転換の成果で11年度に108キロだった同県の10アール当たり収量は、15年度は36%増の147キロまで増えた。

 倒伏しにくく、さやが固い「里のほほえみ」はコンバインでの刈り取りが簡単で、収穫時のロスが少ない。「エンレイ」に比べ、病害をもたらすダイズモザイクウイルスへの抵抗性が高いのも特徴だ。JA全農山形は「病気に強い品種への転換が進み、農家の手取りも増えた」(米穀部)と利点を説明する。

 実需者側も利用に積極的だ。消費者の国産志向で、国産原料にこだわった豆腐が人気を集めている。「たんぱく質が多い『里のほほえみ』は豆腐に適しているため、使い勝手が良い」(大阪市の大豆卸)と高評価を集めている。

 急増には、国が大豆を戦略作物に位置付け、収量増を働き掛けてきたことが背景にある。大豆栽培では、生産性や加工適性を踏まえた品種選びが重要で、生産現場と実需者が参加する研究会を国主導で設置。14年以降、全国4地域で会議を開くなどして課題の共有に取り組んでいた。

日本農業新聞

最終更新:9月18日(日)7時0分

日本農業新聞