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LNG燃料船、普及進むか 立ち遅れた日本、厳しくなる排ガス規制へまったなし

乗りものニュース 9/18(日) 7:00配信

環境対策の切り札「LNG燃料船」、立ち遅れた日本

 石油(重油)に比べ環境に優しいとされるLNG(液化天然ガス)。これを使用した「LNG燃料船」というものがあり、いま世界各国で導入、普及が加速しつつありますが、日本ではその動きが遅れています。

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 2016年9月上旬、ハンブルク(ドイツ)にて、日本郵船と三菱商事およびフランスのエネルギー大手、エンジー社による合弁企業「Gas4Sea」が、欧州における船舶を対象としたLNG燃料供給事業の開始を表明しました。また、国土交通省も船舶へのLNG燃料供給システム確立を目指し、横浜港を対象に供給設備の整備検討を開始。三井物産とロシアのガスプロムも、船舶用LNG燃料に関する事業を共同で立ち上げると表明しました。いずれも、ようやく具体的な動きが本格化したといったところです。

 しかしLNG燃料船の建造については、環境先進国の北欧をはじめとする欧州諸国やアメリカに比べて、「日本では日本郵船が手始めに港で使うタグボート(船舶やはしけなどの水上構造物を、押したり引いたりするための小型船)を建造したばかりで、立ち遅れているといわざるを得ない」(海運会社)のも事実です。

 重油にかわりLNGを船の燃料として使うことは、早くから「環境対策としては絶対的な切り札」(同)とされていたにも関わらず、なぜ日本は立ち遅れてしまったのでしょうか。

「欧州に先駆けるか?」と注目を集めた日本 しかし…

 かつて日本においても、LNGを燃料にするフェリーに注目が集まったことがありました。2009(平成21)年12月、商船三井が発表した次世代船構想「船舶維新」シリーズにおいて、その次世代フェリーに採用するとしたのがLNG焚きエンジンだったからです。

 このとき発表された構想によれば、さまざまな省エネ対策を加えて「CO2は50%、NOX90%、SOXは98%から100%削減できる」、つまりNOX(窒素酸化物)、SOX(硫黄酸化物)がほぼ完全に除去できるという優れもので、同社は「5年後にはLNG焚きの主機関を持つフェリーを登場させる」としていました。

 この発表が注目を集めた理由は、ほかにもあります。というのも商船三井グループは、「さんふらわあ」ブランドで知られる日本最大級の長距離フェリー企業群を傘下に置き、当時、それらの会社は軒並み運航船の新造代替を検討していたからです。すなわち、環境先進国である欧州に先駆けて、LNG焚きフェリーが日本で実現するのも時間の問題と見られたためです。

 そののち、同社は5~6隻のフェリー新造発注へ動き始めたのですが、最終的にLNG燃料船の計画は見送られてしまいました。

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最終更新:9/18(日) 8:06

乗りものニュース