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街の灯、消さない 久慈市中心街、一部店舗が営業再開

デーリー東北新聞社 9月18日(日)11時13分配信

 「街の灯は消さない」―。台風10号の豪雨で甚大な被害を受けた久慈市中心街。被災から3度目の週末を迎えた17日、特に浸水被害が大きかった久慈駅西側でも、徐々に営業を再開する店舗が出てきた。経営者の高齢化などを背景に一部で廃業や休業の動きが進む中、意欲ある店主らはいち早く再建の道を決断。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で一躍脚光を浴びた北三陸の拠点都市は、再起を懸けて立ち上がる。

 8月30日に岩手県に上陸した台風10号で、市中心街は広範囲で浸水被害が発生。駅東側の川崎町周辺は8~9割の店舗が通常営業に戻ったが、被害が大きい駅西側の中央や本町周辺は依然として多くが再開のめどが立っていない。

 あまちゃんに登場する喫茶店のモデルとなり、ファンの“聖地”と呼ばれる同市本町の「喫茶モカ」は、17日午前に営業を再開。早速、常連客や観光客らが訪れ、店内はにぎわいを取り戻した。

 あまちゃんをきっかけに来店するようになった三沢市の会社員山本秀典さん(42)。「被災したと聞いた時は驚いたが、絶対に復活すると思っていた。本当に良かった」と名物のナポリタンを味わった。

 店舗は1・2メートルほど浸水。被災後は地元だけでなく、全国のファンやあまちゃんの出演者からも励ましの電話やメールがあり、再出発への後押しとなった。

 二人三脚で店を切り盛りする店主の樋沢正明さん(68)と妻あけみさん(63)は「店を開けないと他の店も続かないと思った。また頑張りたい」と使命感をにじませる。

 地元の常連客に愛されている同市中央1丁目の居酒屋「いなかっぺ大将」は、同日夜から本格的に営業を再開した。

 店舗の約1・5メートルが浸水し、復旧作業は常連客や仲間の居酒屋のマスターらが手伝った。壁紙を貼り替えたが、座敷の畳は間に合わず急きょフローリングで対応した。

 店主の佐々木育夫さん(55)は「ようやく再開にこぎ着けた」とほっとした表情を見せながらも、「早く他の店も元通りになって、街が元気を取り戻してほしい」と願いを込めた。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月18日(日)11時13分

デーリー東北新聞社