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【MLB】田中将大、日本人初サイ・ヤング受賞のカギは新世代のスタッツ?

Full-Count 9月18日(日)12時15分配信

従来のスタッツで秀でているのは防御率だけだが…

 レギュラーシーズン終了まで残すところ2週間ほどとなったが、ヤンキース田中将大投手の評価がうなぎ上りしている様子が、海を越え日本にも聞こえてくる。ウェーバー手続きを経ないトレード期限だった8月1日を前に、若手起用に切り替えたヤンキースが、現時点でもワイルドカード争いの渦中にいるのは、名門ヤンキースのエースとして田中が安定したパフォーマンスを続けることも一つの要因だろう。

際立つ敗戦数の少なさ…田中将大のNPB・MLB通算成績一覧

 辛口で知られる地元NYメディアもこぞって田中を絶賛している。前回先発した15日(日本時間16日)の敵地レッドソックス戦では、勝敗こそ就かなかったが、7回を4安打1失点と好投。防御率を2.97まで下げ、ア・リーグでトップに立った。もし防御率タイトルを獲得すれば、ヤンキース投手としては1980年以来の快挙。投手にとって最も栄誉あるサイ・ヤング賞候補としての声も聞こえてくる。そんな中、スポーツ専門局ESPNの公式サイトでは、田中のサイ・ヤング賞獲得の可能性を、ヤンキースのロスチャイルド投手コーチの意見を交えながら検証している。

 今季のサイ・ヤング賞候補と目されるのは、リック・ポーセロ(レッドソックス)、コーリー・クルーバー(インディアンス)、クリス・セール(ホワイトソックス)ら。ロスチャイルド投手コーチは、田中も素晴らしいシーズンを過ごしていると認める一方で「残り試合で際立った投球をしなければならない。今年本当に素晴らしいシーズンを送っている投手が何人かいるからね」と話し、田中の受賞は難しいという見解を示している。

セイバーメトリクスが生んだ新世代のスタッツが示す真価

 サイ・ヤング賞投手に相応しい成績、活躍とは? 記事によれば、ロスチャイルド投手コーチは「奪三振数、投球回、防御率、少し古い考えかもしれないが勝利数も重要だと思う」と話したそうだ。9月16日現在の成績を見てみると、田中は防御率(2.97)ではリーグトップに立っているものの、奪三振数(160)は15位、投球回(193回2/3)は6位、勝利数(13勝)は10位タイという成績だ。この数字を見ると、サイ・ヤング賞に相応しいのは防御率だけで、受賞は現実的ではないように思える。

だが、いわゆる新世代のスタッツに目を向けると、少し話が変わりそうだ。9回あたりの平均四球数(1.58)と被出塁率(.270)はリーグ3位、勝率(76.5パーセント)と1回あたりに出す平均走者数を示すWHIP(1.06)はリーグ5位という成績。勝利への貢献度を示すWARは、米データサイト「ファングラフス」の試算では、セール(5.2)に次ぐリーグ2位(5.1)となっており、リーグ屈指の好成績であることが分かる。

 ロスチャイルド投手コーチは、現時点ではポーセロがサイ・ヤング賞に相応しいと考えているようだが、勝ち星こそ伸びないが“負けない”田中にもまだチャンスはある。「彼が受賞争いの議論に絡んでくるかは、残り数週間にかかっている。まだ登板機会があるだろうし、まだまだ決着したわけではないさ」と話し、今後の結果次第では、ヤンキースの屋台骨を支える田中が日本人初のサイ・ヤング賞投手になる可能性を否定しなかった。

 先発ローテ通りならば、シーズン終了までに少なくとも2試合は先発機会が回ってくるが、田中がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、日本人初のサイ・ヤング賞投手が誕生するのか、期待を込めて見守りたい。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:9月18日(日)12時35分

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