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大雨吸収「水田ダム」 平塚市、水害軽減へ実証実験

カナロコ by 神奈川新聞 9/18(日) 12:03配信

 平塚市は、県内一とされる水田面積(622ヘクタール=2015年)を生かした「水田ダム」の実証実験を始めた。遊水池としての水田に着目し、本来の治水機能を高めることで水害軽減の可能性を模索する。8月の台風9号でも水田から水があふれるなどの影響はなく、一定の効果を確認。市は今後も地域性を生かした水防モデルの構築を目指していく考えだ。
 幾筋もの川が流れ、豊かな水量が県内トップの米どころを支えている平塚市。一方で2013年に南金目地区で金目川の堤防が崩落するなど、水害にも悩まされてきた。市は上流域を含む金目川水系の水田が、30年前から約602ヘクタールが減少している現状を踏まえ、雨水が河川へ直接流入しない水田の「貯水機能」に着目。氾濫防止策の一手として、6月から試行を始めた。
 実証実験は、南豊田地区の水田(約1300平方メートル)のあぜの高さを従来の20センチから30センチにかさ上げし、降雨が水田にとどまる仕組み。水位計も設置し、市は「貯水量は単純に1・5倍になる。浸水被害などの軽減につながるよう前進させていきたい」と期待を込める。
 台風9号が上陸した8月22日。市内では1時間に最大48ミリ(真田地区)を観測するなど5カ所で道路冠水があったが、「水田ダム」の水位は、従来より6センチの上昇にとどまった。
 市は今後、あぜの高さや稲作への影響など、農家の意見と実験結果を検証しながら、遊水機能向上を目指していく。今後は支流を含めた金目川水系全体の水害対策を念頭に置いており、「秦野や伊勢原の上流自治体と県を巻き込んで、水田が多い地域性を生かしたモデルを模索し、危険な状況を回避していきたい」(市関係者)と期待を寄せている。

最終更新:9/18(日) 12:03

カナロコ by 神奈川新聞