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いじめ「自分を責めず、誰かに相談を」 弁護士が中学校で特設授業 

沖縄タイムス 9月18日(日)10時5分配信

 那覇市立寄宮中学校の1年生6学級で12日、弁護士によるいじめ防止のための授業があった。沖縄弁護士会子どもの権利委員会の6人が各教室で実際に起こった事件などを教材にいじめの構図を説明。命にかかわる人権侵害であることを強調し、「どんな理由があってもいじめは絶対に許されない」と訴えた。(社会部・田嶋正雄)

 横江崇弁護士は実際の暴力だけでなく、言葉の暴力や無視、仲間はずれ、物を隠すことなどもいじめだと紹介。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)でのいじめも増えている現状を話した。

 国内で起きた実際の事件にも触れ、教室での「お葬式ごっこ」やクラスメートが別れの言葉を連ねた寄せ書きが被害者を自殺に追い込んだ経緯を説明。「いじめた側は殺そうなんて思っていない。悪ふざけ、その場のノリ、軽い気持ちが人を死なせてしまう。加害者と被害者の気持ちの差がいじめの怖さだ」と強調した。

 被害者の心情を水があふれそうになっているコップにたとえ、「ウザイ、キモイ、死ねなど加害者にとってはささいな一言が最後の1滴になり、被害者が死を選ぶこともありうる」と指摘。加害者と被害者以外に、いじめを見て面白がる人や見て見ぬふりをする人がいるいじめの構図を、漫画のキャラクターを使って説明し、「言葉は人を傷つけることも救うこともできる。『やめなよ』って言うのは勇気がいるが、傍観者にならないで」と訴えた。

 生徒代表の新垣弥依さんは「いじめられたり、嫌な思いをしている人を見たら見て見ぬふりをせず、声を掛けてあげるようにしたい」と感想を話した。「場合によってはいじめは許されるか」の質問に、授業前は手を挙げた生徒もいたが、授業後はゼロになった。

 横江弁護士は「いじめられている人がいたら決して自分を責めず、誰かに相談を。信頼できる大人は多くいるということを知ってほしい」と呼び掛けた。

 沖縄弁護士会は2013年度から、小中学校でいじめ防止の出張授業を続けている。横井理人弁護士は「いじめが起こる前に弁護士としてできることはないかと取り組んできた。なぜ事件が起きたのかを生徒と一緒に考え、加担することも解消することも一人一人の行動に懸かっていると伝えたい」と話した。問い合わせは沖縄弁護士会、電話098(865)3737。

最終更新:9月18日(日)10時5分

沖縄タイムス