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超過密状態、フィリピンの拘置所での生活を見る<2>

CNN.co.jp 9月18日(日)9時0分配信

フィリピン・マニラ首都圏(CNN) フィリピン首都マニラ近郊のケソン市にある拘置所の外では朝から、収容者の親族ら700人が接見を求めて辛抱強く待っていた。施設内に入るには数時間待つ必要がある。看守によれば、面会室は特に設けておらず、訪問者は収容者に混ざって接見を試みるという。

拘置所の幹部、ジョーイ・ドギレス氏は、外部からの訪問者に対する所持品検査を徹底することで、禁制品の持ち込みを最小限に抑えていると主張する。ただ、違法薬物や商品が入り込むのは避けられないとも示唆した。持ち込まれる薬物で中心となっているのはメタンフェタミン(現地の呼び方で「シャブ」)だという。

寝台は少なくとも3段重ね

寝室では、収容者は自力で寝る場所を確保しなければならない。何とか一定のプライバシーを保持しようと、タオルやすり切れたカーテン、さらには古びた木の板まで設置しているが、これほど狭い空間では無理な相談だ。

寝台は少なくとも3段重ねになっているほか、こうした寝台の下に潜りこんで寝場所を確保する場合もある。天井からつり下げたハンモックにくるまって寝る人もいた。

ある部屋では約18平方メートルの空間に85人が収容され、これより若干大きい30人用の部屋でも131人を収容している。

収容者らはこうした状況が一時的なものかどうかも知らされていない。フィリピンの裁判システムは案件の進みが非常に遅いのが現状だ。

終わりなき待機

アメエナ・タラ・ジャンスさんは週に6日、6年以上収容されている夫に会うために同拘置所を訪れている。夫は軽い卒中から回復しているところだが、暑さの中で死亡する収容者もいるという。次の審理があるのは10月。だが、裁判に終わりは見えない。「公正さなどない」とジャンスさんは話す。

2階にある寝室区画の「市長」と呼ばれるラモン・ゴー被告は、収監されて16年になる。900人ほどの収容者を取りまとめ監督する役割を担っている。

ゴー被告は拘置所の収容者には珍しく2年半前、15年近く待った末に公判を受けた。警察による一斉捜索中に警官が射殺された件に絡み、殺人罪で訴追されている。今はまだ拘置所の中におり、評決が下るのを待っている状況だ。

6月初めに麻薬撲滅戦争が始まってから数千人が逮捕される中、収容者数は増加の一途をたどっている。

収容者は終わりのない待機を強いられ、いつ再び自由の身になれるのかわからない。はち切れんばかりの拘置所に日々新たに人々が収容され、スペースを確保しようとする姿を眺めながら、ただ待っている。



連載終わり

最終更新:9月18日(日)9時16分

CNN.co.jp