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【インサイト】ウォール街の雇用主が忠告、NYでの成功を夢見るな

Bloomberg 9月16日(金)7時30分配信

フランク・シナトラは有名な「ニューヨーク・ニューヨーク」でこう歌った。「そこで成功できるなら、どこでも成功できる」。

だが、金融サービス業で成功したいと考える人は、その夢の実現で「どこでも」という部分に留意する時期が来たかもしれない。つまり、ニューヨーク以外のどこでもとか、あるいはシカゴ以外のどこでも、とかそんな感じだ。

大銀行なら、ウォール街やその周辺地域から海外都市あるいは米国内の別の「中核的拠点 」に急な職場移転があるのは珍しくない。不動産会社CBREの最新分析では、こうした傾向が強まっていることが如実に示されている。金融セクターの雇用がリセッション(景気後退)の時期から回復する中で、その成長ランキングを都市別にみるとニューヨークとシカゴは最下位だった。超高層ビルがひしめく両都市よりも、企業側は給料やオフィス賃貸料が比較的安い場所を選んだのだ。

他の都市と比べ、ニューヨークの賃金や賃貸料がいかに高いかはビジュアル化すると鮮明で、現在のトレンドがさらに加速する余地がいかにあるかが分かる。

ニューヨークに昔からある主要金融機関の収入が横ばいにとどまっている状況も、なるべく安い人材とオフィス空間探しがすぐには終わらないことを示唆する。

つまり、ニューヨークからの金融機関脱出は始まったばかりかもしれない。CBREのアナリストらは、現在の傾向が「金融サービス業に今後も構造的な転換をもたらし、商業用不動産の相場とトレンドに全国的に影響する。比較的安い労働力と不動産を提供する市場が、金融機関のコスト減らしから恩恵を受ける」と分析した。

CBREの調査で目を引く項目の一つは、金融絡みの雇用が堅調な市場の多くでリスク管理や法令順守関連の人材供給が足りないことだ。また、明るいニュースとしては、金融の世界では他の分野よりも雇用市場が向こう数年ずっと速いペースで伸びると予想されている。

それでも、シーズンチケットを買うならニューヨークのメトロポリタン歌劇場ではなく、テネシー州ナッシュビルにあるカントリーミュージックで有名なグランド・オール・オプリのチケット購入を考えたほうがいいかもしれない。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:Wall Street’s Big Employers to New York City: Drop Dead: Gadfly(抜粋)

Rani Molla, Michael P Regan

最終更新:9月16日(金)7時30分

Bloomberg