ここから本文です

日銀、マイナス金利深掘りか きょうから同日会合 米は見送り観測

SankeiBiz 9月20日(火)8時15分配信

 日米の金融政策決定会合が20~21日に開かれる。日銀会合では、3年半にわたる金融政策の「総括的な検証」を受けた追加緩和の有無を議論。米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げの是非が最大のテーマだ。日米の会合を受けて、世界の金融市場が大きく動く可能性もある。

 日銀会合の公表は、過去の実績に照らし合わせると21日午後0時半~1時前後とみられる。今回の会合では総括的な検証をまとめ、即時公開する。具体的な議題となるのは、大規模な緩和にもかかわらず物価上昇を阻害した要因、マイナス金利政策のベネフィット(効果)とコスト(副作用)が軸だ。日銀は「貸出金利低下などの効果が、金融機関の利ざや縮小などの副作用を上回る」と結論づけ、マイナス金利を今後の金融政策の主軸に据える方針とみられる。議論結果を踏まえ、日銀は量的緩和策として行っている国債購入の手法を柔軟化する代わりに、現在マイナス0.1%のマイナス金利の幅を同0.2~0.3%に深掘りし、金融緩和の限界論を払拭する案が浮上している。

 一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が開くFOMCの結果判明は、時差の関係で日本時間22日午前3時にずれ込む。その後、イエレンFRB議長が記者会見する。日銀の追加緩和とFRBの追加利上げが重なれば、市場で日米金利差の拡大が意識され、一気に円安ドル高が進む可能性もある。

 イエレン氏は8月末の講演で「利上げの条件が整ってきた」と発言。フィッシャー副議長も「雇用と物価は目標に近づいている」と述べ、市場では利上げ観測が高まった。ただ、その後に発表された8月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が20万人の大台を割り込み、米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は半年ぶりに好不況の境目とされる50を下回った。このため9月利上げ観測は遠のきつつある。

 市場では「日銀は追加緩和に踏み切り、FRBは利上げを見送る」との見方が根強い。直近では「日米とも(政策変更はなく)無風」と分析するエコノミストも増えてきた。FRBが利上げに動かず、日銀が追加緩和するのみでは円安が持続せず、追加緩和の効果が“帳消し”になる恐れがあるからだ。

 みずほ証券の上野泰也氏は「現在の為替水準であれば、日銀は今後の円高に備えて追加緩和カードを温存するだろう」と予想する。消費者物価は5カ月連続で下落しているが、今回は政府からの追加緩和圧力がほとんどないという事情もある。

 日米の金融政策決定会合が同じ日程で開催されるのは2年5カ月前の2014年4月まで遡(さかのぼ)る。当時はそろって金融政策を据え置いた。果たして今回はどうなるか。「世界市場の9月最大の関心事」とあって投資家は固唾をのんで見守っている。(飯田耕司)

最終更新:9月20日(火)8時15分

SankeiBiz