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NTT西日本がスタートアップとの協業で早期展開できた若手の巻き込み

アスキー 9月19日(月)6時30分配信

スタートアップと大企業の協業には課題がつきもの。そこをNTT西日本はどう乗り越えたのか。
大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。
第3回(全4回)
 
 大手企業とのアライアンスで培った経験・ノウハウを活かし、今はスタートアップ企業とのアライアンスに全力投球する西日本電信電話(NTT西日本)ビジネスデザイン部ビジネスクリエーション部門の アライアンスプロデューサー、中村正敏担当課長。第3回目は中村氏が手がけた、ベンチャー企業とのアライアンスでのエピソードについて話を訊いた。
 
社会に貢献するスタートアップと手を組みたい
 『介護レク広場 for 光BOX+』は、NTT西日本が提供するセットトップボックス『光BOX+』を使って配信する、介護レクリエーションをテーマにした動画サービスだ。
 

 介護の現場で介護スタッフや高齢者達が学び、楽しむことのできるコンテンツを提供するのが、介護レクリエーション事業を展開するベンチャー企業のスマイル・プラス(現BCC)だ。このサービスを介護施設などにNTT西日本の営業マンが提案している。
 
 NTT西日本がスマイル・プラスとアライアンスを組むきっかけとなったのは、トーマツ ベンチャーサポート主催するベンチャーが大手などに自社サービスをプレゼンして、ビジネスをつなぐプログラム“モーニングミートアップ”の場での中村氏の“直感”だった。
 
 中村氏は振り返る。「創業者とたまたまお話する機会があって、人を支えることのできる素晴らしい事業内容に魅力を感じました。社会インフラ事業を生業とする当社としては、スタートアップと手を組むのであれば、社会に貢献するようなビジネスを営むところでなければと考えていましたから」
 
アライアンスを加速させた若手社員の“巻込み”
 その後、両社の思いが合致したことで、提携の話がトントン拍子で話が進み協業が決定した。
 
 実はこの少し前に、中村氏は部内でちょっとした“巻込み”を行なっていた。休日にボランティアとして介護施設で大道芸を披露している若手社員が、同じ部署にいたのだ。たまたま当人のFacebookでそのことを知った中村氏は、週末に彼の芸を見に行った。社内でその後、「このプロジェクトを一緒にやらないか?」と話を持ちかけたところ、「やります」と即答だった。
 
「すでに別のチームの主戦力になっている人材でしたが、彼の上司もこのプロジェクトへの参画を温かい気持ちで認めてくれました。新規事業を手がける部なので、若い人材に様々なチャレンジをさせて育てていこうという思いが強いというのもあるでしょうね」と中村氏。
 
 こうした“新戦力”の加入もあり、わずか半年でサービスを立ち上げることができた。
 
「どうやれば高齢者の方々に楽しんでもらい、よろこんでもらえるのかを理解している人間がいたので、スマイル・プラスとの話し合いもスムーズに進めることができました」(中村氏)
 
 現在、介護レク広場 for 光BOX+は東日本エリアにも展開するなど、地道に利用者数を伸ばしつつある。これまでの展開について中村氏はこう評価する。「若手社員がスマイル・プラス様と密に寄り添って仕事をしたことが大きいですね。お前はいったいどっちの社員だというぐらいに(笑)。本当に人材を育てようとするならば、スタートアップと寄り添いながら悩みを共有したり、意見をぶつけ合ったりしながらお互いに理解し合うというのが一番ではないでしょうか。ただし、会社の規模や立場の違いなどから、お互いの考え方も時間軸も異なるという点を必ず踏まえる必要があるということは言い聞かせています」
 
 では、中村氏自身はどのようなスタンスでスタートアップと付き合い、最終的にはどこを目指しているのか──。最終回となる次回、言及していきたい。
 
NTT西日本
コトの共創ラボ
 
文● 小池晃臣/ 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

最終更新:9月19日(月)6時30分

アスキー