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遺族「本当のことを」 伊東干物店強殺20日初公判

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月19日(月)8時6分配信

 伊東市の干物店で2012年12月、社長ら2人を殺害し売上金を奪ったとして強盗殺人罪に問われた元従業員で無職の男(64)=同市大原=の裁判員裁判が20日、静岡地裁沼津支部で始まる。事件から約3年9カ月。被害者の遺族は「なぜ殺されたのか」との疑問を抱き続ける。ようやく迎える初公判を前に関係者は「裁判で真相を明らかにしてほしい」と願う。

 捜査関係者によると、被告の自宅から押収した衣類に血液が付着していて、DNA型鑑定の結果、死亡した同店社長の女性=当時(59)=のものと一致した。女性の義理の息子(47)=静岡市清水区=は「被告が罪を逃れようと、うそをついているのなら許せない。正直に本当のことを話して」と求める。「犯人ならば極刑を望む」と語気を強めた。

 義理の息子は女性の夫(故人)と前妻との間に生まれた。2000年ごろから約3年間、干物店で店長として店を切り盛りした。「おばさんは子供や動物をかわいがる優しい一面があった。自分が店に残っていれば、事件は起こらなかったのに」と悔やむ。「殺された理由が分からず、なぜだという思いがずっと胸に引っかかっている」と胸の内を明かす。

 一方、運送業の仕事などを通じて被告と40年来の付き合いがある男性(47)=伊東市=は「(被告は)周囲との金銭トラブルは多かったが多額ではなかった。気の小さいところもあり、人を殺すような行為を本当に実行できたのか」と疑問を抱く。「裁判で事件の真相をはっきりさせてほしい」と語った。



 ■目撃者、凶器なし 状況証拠の評価争点

 伊東市の干物店で起きた強盗殺人事件の裁判員裁判で、強盗殺人罪に問われた同市大原、元従業員で無職の男(64)は逮捕以降、一貫して事件への関与を否認し、20日に静岡地裁沼津支部で開かれる初公判でも無罪を主張するとみられる。実審理期間は県内での裁判員裁判で過去最長となる見通し。

 捜査関係者によると、被告の自宅から押収された衣類に血痕が見つかり、鑑定の結果、被害者のDNA型と一致したことが判明した。公判では、衣類の押収状況やDNA型鑑定の信用性が最大の争点になるとみられる。

 弁護人によると、事件の目撃者はなく、凶器も見つかっていない。検察側はDNA型鑑定をはじめ、事件前に借金を抱えていた経済的状況や事件前後の行動など状況証拠を積み重ねて立証する方針で、双方の主張に対して裁判員は難しい判断を迫られる。

 同支部によると、公判は計14回。週2~4回のペースで行われ、10月21日に結審し、1カ月近い評議期間を経て11月24日に判決が言い渡される。証人は検察、弁護側の双方で計20人が出廷する。

 起訴状などによると、被告は12年12月18日、伊東市八幡野の干物店で、殺意を持って同店社長の女性=当時(59)=と従業員の男性=当時(71)=をそれぞれ刃物で突き刺して殺害し、社長が管理していた現金約40万円を店内から奪ったとしている。

静岡新聞社

最終更新:9月19日(月)8時6分

@S[アットエス] by 静岡新聞