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小さなエース道下美里が初の銀メダル「悔しさも」

日刊スポーツ 9月19日(月)1時14分配信

<リオ・パラリンピック:陸上>◇18日◇女子マラソン(視覚障害)

 144センチの“小さなエース”こと、道下美里(39=三井住友海上)が3時間6分52秒で初の銀メダルを獲得した。今大会初採用の種目で表彰台に立った。

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 気温32度。グアナバラ湾沿いの周回コース。道下は15キロ過ぎまでは4位だったが20キロ付近で「ギア」を一段上げ3位へ。30キロ付近で2位に立ち、そのままゴールした。「今、できることはやった。悔しさも残るけど、銀メダルはうれしいです。気温よりも強い日差しによって、思ったよりペースアップができませんでした」。

 中2の時、角膜の病気を患い右目を失明。25歳の時には左目も0・01以下に低下した。03年に鍼灸(しんきゅう)師の資格取得を目指し、特別支援学校に入学。中学時代に取り組んでいた陸上を再開した。中距離走を選び、日本代表には選出されたが伸び悩んだ。07年の世界選手権では1500メートルで5位、800メートルは予選落ちした。08年北京大会には出場すらできなかった。

 スランプの時、地元で「下関海響マラソン」が初開催されることを知り、完走してマラソンへの転向を決めた。持ち味の粘り強いピッチ走法で、14年のロンドン国際大会では3時間9分40秒で銀メダルを獲得した。同12月、山口・防府市での大会で「3時間の壁」を破る2時間59分21秒の日本記録を更新した。世界記録の2時間58分23秒に58秒差まで迫る好タイムで“小さなエース”と呼ばれるようになった。

 道下には「チーム道下」と呼ばれる仲間がいる。100人以上の伴走者のほか、管理栄養士や薬剤師もおり「誰にも負けない武器」と言う。身長144センチの体格で海外選手に勝つために、昨年から歩幅を広げるフォームに取り組んできた。筋力トレーニングを増やし、柔軟性を高めるためにもヨガを取り入れた。この日のレース中の苦しい時は仲間のことを1人1人思い出していたという。

 世界記録保持者でライバルのエレーナ・パウトバ(ロシア)は、国主導の組織的なドーピングのため出場が禁じられ、欠場した。

最終更新:9月19日(月)1時18分

日刊スポーツ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。