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スケプタ『コンニチワ』が英マーキュリー賞に グライムMCの授賞は史上2人目

bmr.jp 9月19日(月)22時30分配信

スケプタ『コンニチワ』が英マーキュリー賞に グライムMCの授賞は史上2人目

スケプタ『コンニチワ』が英マーキュリー賞に グライムMCの授賞は史上2人目

毎年、イギリスとアイルランドでその年もっとも優れたアルバムに送られる音楽賞〈Mercury Prize〉の授賞式が先週ロンドンで開催され、英グライム・ラッパーのスケプタの最新作『Konnichiwa』がその栄誉に輝いた。

今年の〈Mercury Prize〉候補には、レディオヘッド5年ぶりの新作『A Moon Shaped Pool』やデヴィッド・ボウイの遺作となった『★』(black star)を始め、アノーニ、ジェイミー・ウーン、ローラ・マヴーラ、マイケル・キワヌーカ、ケイノーなど12組のアーティストの最新作が挙がっていたが、最有力候補と見られたデヴィッド・ボウイやレディオヘッドを破り、スケプタが今年5月にリリースした5年ぶり新作『Konnichiwa』が授賞となった。

〈Mercury Prize〉をラッパーが授賞するのは、女性ラッパーのスピーチ・デベルのデビュー作『Speech Therapy』が授賞した2009年以来、7年ぶり。そしてグライムMCの授賞となると、ディジー・ラスカルによる衝撃のデビュー作『Boy In Da Corner』が授賞した2003年以来、13年ぶり、史上2人目の快挙となる。UKガラージやドラムン・ベースなどのクラブ・サウンドを吸収したヒップホップとしてロンドンを中心に独自に発展した「グライム」は、ディジー・ラスカルらの活躍もあって2000年代前半から盛り上がり始め、2005年には英〈MOBO Awards〉にグライム・カテゴリーが新設されるなどしたが、ハードコア色が強い面もあり、メインストリームで活躍する才能は少ない。

こうした状況もあってか、授賞が発表されるとスケプタは仲間たちと共にその場で狂喜乱舞。スピーチでも、冒頭から「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と感謝の言葉を繰り返すなど喜びをあらわにした。また、授賞作『Konnichiwa』は、スケプタらを中心とするクルーであり、彼らの自主レーベルであるBoy Better Knowからのインディペンデント・リリースであることから、「ずっと音楽を長いことやってきたけど、この今の気持ちは……みんな、自分たちのために、ファミリーのためにやろうぜ。この楽曲たちと共に俺たちは世界を飛び回った、レーベルも何もなしにね。自分たちで、自分たちのためにやってんだ」とコメント。授賞後の英Guardian紙の取材では、「本当のDIYなんだ。インターネットのおかげで、大きな会社がついていない人間にもたくさんの機会が与えられるようになったと思う。DIYこそ音楽の未来だ」と述べ、授賞をきっかけにグライムがさらに幅広く聞かれることを期待する旨を語ったという。

元々はDJとして活動を始めたスケプタは、弟のJME(ジェイミー)と共に、イギリス最大のグライム・クルーとして知られ、一大旋風を巻き起こしたロール・ディープに一時加入後、自分たちのクルー/レーベル Boy Better Knowを結成。2007年にデビュー・アルバム『Greatest Hits』を自主リリースした。3作目の『Doin' It Again』では初めて外部レーベルと組み、“Rescue Me”が全英チャート最高14位となるなど好成績を残している。そして昨年、2月に開催された〈BRIT Awards〉の授賞式でカニエ・ウェストによる“All Day”のパフォーマンス・ステージに参加したほか、ドレイクもスケプタの才能を度々讃え、その後に共演が実現するなどして世界的に注目度が高まり、今年2月にドレイクがBoy Better Knowのメンバーになったと宣言したことも大きな話題になった。そして今年5月に発売された最新作『Konnichiwa』は、自主リリースながらファレル・ウィリアムスらも参加。英音楽メディアのNMEが5点満点をつけるなど高く評価された。なお、日本語を冠した作品ということもあって、発売タイミングには来日も果たし、KOHHなど日本のラッパーたちも招いたリリース・パーティを開催し、その模様を世界に配信している。

最終更新:9月19日(月)22時30分

bmr.jp