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栃木県内の男女最高齢者に聞く

産経新聞 9月19日(月)7時55分配信

 今年度末までに100歳になる人を含めて、100歳以上の県民は男性155人、女性1021人の計1176人(9月1日時点での集計)おり、女性は初めて1000人を超えた。県内最高齢は111歳の岸ツキミさん(小山市)、男性の最高齢は107歳の小川広瀬さん(市貝町)。介護が必要な状態だが、自ら体を動かし、周囲とのコミュニケーションも取れる。元気な高齢者の代表でもある。(水野拓昌)

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 ◆岸ツキミさん(111)小山市 長年の食習慣、健康の秘訣 

 8月の誕生日には着物を着て、6年前から暮らしている特別養護老人ホーム栗林荘(りつりんそう)(小山市塚崎)で長寿を祝ってもらった岸ツキミさん。マイクを向けられると、「私のために盛大な会を開いてくれてありがとう」としっかり話したという。

 普段は車いすの生活だが、物につかまって自力で立つこともあり、風邪をひいたとき以外、終日寝込むようなことはない。車いすを押してもらい外出することもある。「冷たいものは口にしない。食事は腹八分目。昔からの習慣が健康の秘訣(ひけつ)では。今も薬は飲んでいない」と同施設生活相談員、山中庸子さん(49)。デイサービスを利用していたころから岸さんの様子を見ており、「気分がいいと、『春の小川』を歌ってくれる」。戦前までの古い歌詞を今でも覚えている。

 小山市に嫁いできたが、田植えの時期は実家がある旧大平町(栃木市)まで歩いて帰り、手伝っていた。取材には、緊張気味であまりしゃべらなかった岸さんだが、施設の職員が用意した花束にはニッコリと女性らしい笑顔を見せた。

 ◆小川広瀬さん(107)市貝町 若い感覚、ニュースに敏感

 体操をしたり歌を歌ったりしてグループホームでの午前中の日課をこなす小川広瀬さん。いすに座ったままだが、元気に手を上げて回す。耳が聞こえなくなり、会話は筆談を交える。元気の秘訣(ひけつ)は「早寝早起き。いろいろ考えない」と答えた。

 孫、小川寿夫(すみお)さん(55)が運営する「アットホームいちはな」(市貝町市塙)に入所している。施設職員によると、食事はきちんと自分で箸を使い、新聞にも目を通し、職員とオセロゲームで対戦することも。寿夫さんの妻、理抄(りさ)さん(53)は「バイクも90歳過ぎまで乗っていた。80歳過ぎて始めた川柳も、あちこちに投稿し、よく掲載されて喜んでいた。感覚も若くて」。新しいニュースに敏感で、よく川柳に取り入れていたという。

 農業、畜産に励み、町内で顔も広かった小川さん。口癖は「人と同じことをやっていてはもうからない」「経済第一。働くこと」だった。

 記者の帰り際、「交通事故が多い。気をつけて」と声を掛けてくれた。

最終更新:9月19日(月)7時55分

産経新聞