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愛を込めて「おかえり」 第5回世界若者ウチナーンチュ大会まで1カ月

琉球新報 9月19日(月)13時56分配信

 10月20~23日に開かれる世界若者ウチナーンチュ大会(同実行委員会主催)まであと1カ月と迫った。世界のウチナーンチュ大会の前週に開催される若者大会は5年前、次世代へのウチナーネットワークの継承を託して開かれた若者国際会議から発展して誕生した。これまで4年間、ブラジル、アメリカ、ドイツ、フィリピンで開催し、今年初めて舞台が沖縄に移る。実行委は海外、県外、県内から3千人の参加を見込んで、企画に励んでいる。テーマは「我が要(カナミ)ウチナー 勇み風共(カジトゥム)に 走(ハ)らせシンカヌ達(チャー)」。西原町、中城村、名護市、うるま市など移民輩出の多い地域を拠点に会場を設定した。大会では世界に存在する「オキナワ」社会を知って驚き、芸能を披露し合い、スポーツで共に汗を流す。そして地域愛を語らう。本番に向け盛り上がる今大会の裏側、そして過去大会の変遷を紹介する。


公式ソング「I know」作詞作曲、名嘉俊さん(HY)に聞く

 若者大会の公式ソングに決まった「I know」。8月に沖縄からメジャーデビューしたボーカルグループSky’s The Limit(スカイズ・ザ・リミット)が歌っている。「ただいま」「おかえり」と声を掛け合う温かい歌詞と、アップテンポな曲調で、時に三線の音色にカチャーシーを踊りたくなるメロディー。作詞作曲を担当したのはうるま市出身のバンドHYのドラム名嘉俊さんだ。曲に込めた思い、大会への期待を聞いた。


 ―公式ソングを作るに至った経緯は。
 「スカイズ・ザ・リミットから若者大会の公式ソングとして作ってほしいと依頼を受けて、若者大会って、すごいでかい大会。プレッシャーはあった。HY以外に曲を作って提供するのは初めて。自分にとってもチャレンジだった」

 ―大会の印象は。
 「海外のいろんな所に飛び立って頑張っているウチナーンチュがいる。そんな人たちが集まる、そんな祭り。いい機会だと思う。フェイスブックなどで人とつながる時代だけど、直接会ってつながることは大事だよね」

 ―歌詞に「おかえり」「ただいま」がある。どんなイメージで曲を作ったのか。
 「歌詞観は海外。海外のウチナーンチュって沖縄に来ても『おかえり』って言われる。二つ帰る場所がある。それってうらやましいなと思う。大会が終わってそれぞれの場所に帰っても口ずさんでほしい。曲を歌うスカイ―のことも考えた。大阪出身のメンバーもいて、彼らにとって沖縄は第二の故郷になるはず」

 ―曲名「I know」はどんな意味を込めた。
 「『そうだよね』って。もちろん愛のことを歌っているんだけど『振り返った時、いろんな場所でいろんな人からもらったのは愛だったね』との意味を込めた。『おかえり』『ただいま』は誰かがいないと言えない。互いに国を違えて住んでいても『おかえり』『ただいま』って笑顔が散らばるような曲になってほしい」

 ―フィナーレの出演もある。勝連城跡が舞台だ。
 「地元だし、家も近い(笑)。あんなすごい場所でライブをやりたくても簡単にできない。この仕事をやってきて良かったと思う」

 ―参加者へメッセージを。
 「この場所でしか味わえない祭り。“若者”大会だから次はいつ体感できるか分からない。思い切り今の自分で楽しんでほしい。参加して見える世界も変わると思う。同じ場にいた海外のウチナーンチュと何年後かに同じ仕事をするかもしれないし、こんな小さな島で恋に落ちたりするかもしれない。この大会が何かのきっかけになったらと思う」


寄稿・海外県系人に「帰る場所」/玉元三奈美(大会実行委員長)

 いよいよ「第5回世界若者ウチナーンチュ大会」を沖縄で迎える。2012年にブラジルで開いた第1回大会を皮切りに北米、欧州、アジアで開催し、世界10カ国以上から約500人の若者が参加した。沖縄での開催は初めてで、約3千人が参加する。「人と地域に感動と元気を届け、若者が熱く燃える4日間」を掲げ、これまで以上に県内41市町村との連携に力をいれている。県、市町村、大学、地域の青年会に働き掛け、大会を実施する。

 大会後に期待される効果として「ウチナーネットワークの強化」と「地域の活性化」を挙げたい。若者のアイデンティティーや芸能・文化の継承、県人会や地域の青年会活動の担い手不足などを課題として捉え(1)海外のウチナーンチュ(2)青年会(3)学生・一般社会人―の3者の視点で目的や目標を設定し、プログラムを構成した。

 大会を盛り上げる出演者として県立芸術大学、沖縄空手三大流派、青年会エイサーに加え、スカイズ・ザ・リミットやHYなど豪華アーティストが出演する。

 実行委は演者が放つメッセージや伝えたいことを重要視し、出演を依頼した。

 特に力を入れた青年会との連携は、海外のウチナーンチュと、彼らのルーツがある市町村の青年をつなぎたいという想(おも)いだ。過去大会を通して、海外の若者は、地域で活動する青年や伝統芸能に触れる場を強く求めていると実感した。

 今大会で、青年と触れ合い、彼らが誇りを持って継承している伝統芸能に触れてほしい。そして「おかえり」「ただいま」と言える「帰る場所」を作ってあげたい。

 さらに、青年会と関わることで地域と向き合う大学生や、沖縄で受け継がれてきた伝統芸能や文化に触れ、新たに伝統芸能を始める若者、海外に留学する若者も生まれるだろう。若者同士が国を超えて連携し、新たな取り組みが生まれる可能性を期待したい。



(「第5回世界若者ウチナーンチュ大会まで1カ月」特集より抜粋)

 

琉球新報社

最終更新:9月19日(月)14時38分

琉球新報