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昨日の敵は今日の友? 福岡6区補選へ麻生・古賀氏が揃って街頭演説

産経新聞 9月19日(月)7時55分配信

 衆院福岡6区補選(10月11日告示、23日投開票)に向け、自民党福岡県連会長の長男、蔵内謙氏(35)が18日、久留米市などで街頭演説を行った。麻生太郎副総理兼財務相と自民党の古賀誠元幹事長が応援に入り、観衆を沸かせた。保守分裂の様相を呈する中で、蔵内陣営は、ときに確執を指摘されてきた大物政治家2人を投入し、党県連を挙げての強固な支援態勢を見せつける作戦に出た。 

 雨の降りしきる西鉄久留米駅前に18日、蔵内氏の選対本部長、麻生氏と選対顧問の古賀氏が姿を見せた。駅前にはあっという間に約500人の傘の花が咲いた。

 「自民党は、党を出たり入ったりする人ではなく、ずっと党にいた人が支えてきた。選んでよかったといえる国会議員に、蔵内氏を育ててみせます」

 麻生氏は、おなじみのべらんめえ調のだみ声を響かせた。蔵内氏と公認を争い、「補選は弔い選挙だ」という鳩山氏の次男、二郎氏(37)=前福岡県大川市長=を強く意識した発言だった。古賀氏は「蔵内謙氏には志がある。ぼくは人を育てたい」と語った。

 麻生、古賀両氏は圧倒的な存在感を放っていた。2人に挟まれた蔵内氏も負けじと「6区は潜在力を発揮すれば、発展できます」と声を張り上げた。だが、演説の主役の座は麻生、古賀両氏にすっかり奪われてしまっていたようだった。

 これに先立ち、麻生、古賀両氏は久留米市内のホテルで合同選対会議に臨んだ。6区内の市議や町議に加え、医師会や経済界のトップらも集め、引き締めを図った。

 麻生氏が「あまりそりが合わなかった古賀先生と同じ候補者を応援するのは歴史的瞬間だ」と挨拶し、笑いを誘えば、古賀氏は「県南はまだインフラが足りない。しっかりと予算を確保すべきだ。そのためにも故郷を知る謙氏に勝ち抜いてほしい」と支持を訴えた。

 選対会議の後、2人は市議や町議計30人を別室に集め、この先、どんな事業をしたいのか要望を聞いた。

 2人は福岡県政界で長年、にらみあい、必ずしも良好な関係ではなかった。

 平成26年衆院選では福岡1区の公認争いで、ともに現職で、麻生氏が推す井上貴博氏と古賀氏の元秘書、新開裕司氏が「代理戦争」を繰り広げた。結局、いずれも無所属で出馬し、勝った井上氏に追加公認が出た。

 そんな麻生、古賀両氏が今回、手を組んだ背景には、鳩山二郎氏の父、邦夫氏の存在がある。

 21年、麻生内閣の総務相だった邦夫氏は日本郵政社長の人事に反発し、辞任した。閣僚の辞任が相次ぎ、政権が揺らぐ中、後ろ足で砂をかけるような辞任騒ぎだった。

 古賀氏は17年衆院選で、邦夫氏の福岡6区への国替えに道筋を付けた。

 だが、この日の合同選対会議では「今では、6区の風や土のにおいが分かる人に先頭に立ってもらいたかったと、反省している」と述べるなど、いつしかわだかまりが芽生えていたようだ。

 麻生、古賀両氏は9月2日に都内で会食し、蔵内氏の公認を引き続き求め共闘することを確認し、この日を迎えた。

 街頭演説での2人はマイクリレーもスムーズで、終始、笑顔だった。蔵内陣営は「これで注目度が増す。様子見の団体は、こちらに流れてくるはずだ」(幹部)と勢いづいた。

 一方の鳩山二郎氏は18日、大川市の後援会事務所開きで300人を集めた。二郎氏の後任を決める市長選に立候補するJA福岡中央会職員、倉重良一氏(39)も姿を見せ、二人三脚で戦う姿勢を示した。

 鳩山陣営幹部は蔵内氏側が麻生、古賀両氏を投入したことに対し、「2人で団体票を奪いに来ても、簡単にはいかない。民意はこちらにある」と牽制した。

 野党各党は、保守分裂の間隙を突く構えだ。民進党の新執行部人事を待ち、民進党の新井富美子氏(49)と、共産党の小林解子氏(36)との候補者一本化に向けた動きを本格化する。幸福実現党は西原忠弘氏(61)が立候補を予定している。

最終更新:9月19日(月)7時55分

産経新聞