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「子の貧困と女性の働き方」 沖縄県中小企業家同友会がシンポ

琉球新報 9月19日(月)15時1分配信

 子どもの貧困の解決に向けて、中小企業の立場からできる方策を考えるシンポジウム「子どもの貧困と女性の働き方」(県中小企業家同友会那覇支部主催)が15日、那覇市の八汐荘であった。子ども食堂や居場所、子どもシェルターの運営者が登壇し、子どもの貧困が孤立や安心な居場所の喪失を招き、夢も希望も奪うと口々に語った。企業に対しては、就労の受け皿としての役割、子育て中の母親が働きやすい就労環境づくりなどを要望した。

 シンポは同会会員の経営者や行政関係者ら約70人が参加した。発言したのは、弁護士でNPO法人子どもシェルターおきなわ理事長の横江崇さんと、沖縄県子ども総合研究所の平林勇太さん、NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい代表理事の金城隆一さん。同会那覇支部政策委員長の星崎浩二さんが、コーディネーターを務めた。

 星崎さんは同支部が貧困の解決に取り組む背景を説明した。「沖縄は99・9%が中小企業だ。日銀の企業短期経済観測調査(短観)は、沖縄はすごく景気がいいと示しているが、なぜ貧困の問題が出てくるのか。理由を考える中で、貧困の問題に中小企業も大きく関わっているのではないかという問題意識が出てきた」と述べた。その上で「子どもの自立が負の連鎖を断ち切る。子どもたちと(働く)母親を全力で応援することが企業の社会的責任だと思う」と力を込めた。

 弁護士として多くの子育て家庭と関わってきた横江さんは「何らかの課題を抱えた家庭の子どもが非行に走ると地域、学校、親戚から責められ、親も苦しむ。そこへ陥る前の支援が必要。沖縄は夫からのDVに苦しむ母親も多く、手当が必要だ」と訴えた。

 星崎さんからの「中小企業へ求めたいことは」との問い掛けに、平林さんは「所得の再分配と、(子育て中の親の)働き方の改善だ。産休や育児休業も(取れるよう)含めて考える必要がある」と提言した。

 金城さんは、就労の受け皿としての役割と就労体験の受け入れに期待を寄せた。「かわいそうな子どものケアではなく、将来を担う子どもの育ちを一緒に応援してほしい」と呼び掛けた。

 シンポの最後に同会代表理事の新城恵子さんは、同会が障害者雇用に積極的に取り組んできた経緯を踏まえ「障害者の雇用を始めた時と同じように子どもの貧困解決に取り組むスタートにしたい」と決意を語った。


(2016年9月19日 琉球新報掲載)

 

琉球新報社

最終更新:9月19日(月)15時1分

琉球新報