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ロシア下院選、与党の圧勝確実 大都市などで投票率低調

朝日新聞デジタル 9月19日(月)7時25分配信

 ロシア下院選(定数450、任期5年)が18日行われ、開票の結果、プーチン大統領の与党「統一ロシア」が4分の3を超えるロシア下院史上最多の議席を獲得する圧勝を確実にした。一方で投票率は低調で、国民の政治への無関心も浮き彫りになった。

 「統一ロシア」は憲法改正に必要な3分の2以上の議席を単独で確保。プーチン氏の外交・防衛政策に追随する準与党の「共産党」「自由民主党」「公正ロシア」を合わせた4党で議席をほぼ独占し、政権基盤は揺るぎないものになった。

 プーチン氏は18日夜、統一ロシアの選挙対策本部を訪れて「困難な状況の中で、国民は社会と政治に安定を求めたのだ」と、勝因を分析した。2018年の次期大統領選に向け、プーチン氏は再選を目指すにしても後継者を指名するにしても、事実上のフリーハンドを手にしたと言える。

 開票率99%の段階で、ロシア国営ノーボスチ通信による獲得議席予想は、統一ロシア343(改選前238)、共産党42(同92)、自由民主党39(同56)、公正ロシア23(同64)、その他3(同0)。

 450議席のうち、半数の225議席を比例代表制で、残る225議席を小選挙区制で選ぶ。統一ロシアは比例区で過半数の約54%を得票し、前回11年の49%を上回った。さらに小選挙区で与党の強みを生かし、203議席を確保する見通し。前回は全議席を比例代表で選んでおり、選挙制度の変更が圧勝の原動力となった。

 比例区では体制派の4政党以外に、議席獲得に必要な5%の得票率を上回った政党はなく、小選挙区でも4政党以外からの当選者は3人にとどまりそうだ。

 一方、投票率はモスクワ時間19日午後5時(日本時間午後11時)の集計で47・8%と低調で、前回11年の60・1%を大きく下回った。特に大都市で伸び悩み、モスクワやサンクトペテルブルクでは30%台にとどまる見通し。ロシアメディアは「記録的な低投票率」と報じている。政権に批判的な中産階級が多い都市圏で政治への無力感や無関心が広がっている現状がうかがえる。低投票率も、統一ロシアに有利に働いたと言える。

 前回の下院選後には、大規模な不正が行われたとして抗議する市民が街頭に繰り出し、モスクワなどで旧ソ連崩壊後、最大規模の反政府デモに発展した。しかし、今回はそうした事態を予想する識者は少ない。13年から14年にかけてウクライナで繰り広げられた反政府運動が内戦につながったことも、ロシアの反政府勢力の勢いをそいだ。

 中央選挙管理委員会は19日、票の水増しなどを理由に3カ所の投票所の投票を無効とし、2カ所で調査を続けるとしているが、全体として大きな不正はなく、選挙は成立しているとの見解だ。

 ロシア議会は上院と下院の二院制。上院は地方自治体と地方議会の代表で構成し、下院議員だけが国民の直接選挙で選ばれる。(モスクワ=駒木明義)

朝日新聞社

最終更新:9月19日(月)23時41分

朝日新聞デジタル