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<日銀>追加緩和議論へ 「総括的検証」20日から決定会合

毎日新聞 9月19日(月)9時0分配信

 日銀は20、21日に金融政策決定会合を開き、2013年4月から実施してきた大規模な金融緩和(異次元緩和)について「総括的な検証」をまとめる。物価上昇率2%目標の達成が見通せないなか、検証を踏まえ、目標の早期実現に向けて、どのような手を打つかが焦点。マイナス金利幅の拡大など追加緩和策の可否を議論するとみられる。【安藤大介】

 黒田東彦(はるひこ)総裁は今月5日の講演で総括的検証について「2%目標の早期実現のために何をすべきか議論する」と表明。緩和縮小の方向となることは否定した。

 決定会合では、現在の物価低迷が原油安や新興国経済の減速など外的要因が主因と確認し、物価目標を早期実現する姿勢を改めて示す見通し。現在の緩和策の枠組みは維持する方向だ。

 追加緩和策の議論は、マイナス金利幅(現在はマイナス0・1%)の拡大が軸になるとみられる。黒田総裁はマイナス金利について、住宅ローン金利の大幅な低下などを踏まえ、「企業や家計の資金調達コストの低下につながっている」と効果を強調している。

 しかし、マイナス金利幅を拡大すると、住宅ローン金利などがさらに下がり、銀行の収益が圧迫される。金利低下で年金や保険の運用も悪化し、将来への不安も高まる。こうした副作用は、黒田総裁も指摘しており、日銀は効果と副作用を慎重に見極める考えだ。

 副作用を抑えるため、国債の購入方法を見直す案も浮上している。年金の運用先となっている償還期間の長い国債(20年債や30年債)の金利を一定水準確保するため、こうした国債の購入ペースを減らす。一方、償還期間の短い国債の購入を増やし、企業向け貸出金利に影響する短期金利を下げる--といった案などを検討するもようだ。

 また、米連邦準備制度理事会(FRB)が20、21日、金融政策を決める連邦公開市場委員会を開く。追加利上げの可否を判断するが、時差の関係で日銀の決定会合の後に結論が出る。

 市場では「FRBは利上げを見送る」との見方が多く、「日銀が追加緩和を見送れば、円高が進む」との観測が出ている。ドルの金利上昇と円の金利低下が見込めず、ドルを売って円を買う動きが強まる可能性があるからだ。

 ただ、「日銀が追加緩和に踏み切ってもFRBが利上げしなければ円安効果は限られる」との指摘もあり、日銀は難しい判断を迫られそうだ。

 【ことば】異次元緩和

 日銀が「2年で物価上昇2%」の目標を掲げて実施してきた金融政策。当初の「国債の大量購入(量的緩和)」「さまざまな金融商品の購入(質的緩和)」に加え、マイナス金利政策の導入も決めた。だが、今年7月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は0.5%下落し、目標には遠い。日銀は現在、2%到達時期を「2017年度中」とみている。

最終更新:9月19日(月)9時0分

毎日新聞