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【巨人】阿部が伝授!沢村に上原フォーク!「恵みの雨」熱血指導

スポーツ報知 9月19日(月)6時4分配信

◆阪神―巨人=雨天中止=(18日・甲子園)

 巨人・沢村拓一投手(28)が18日、阿部慎之助捕手(37)から「上原フォーク」を伝授された。小さく落ちるフォークを武器にリーグトップの37セーブも最近、調子を落としている守護神は、レッドソックス・上原の巨人時代の女房役だった阿部に相談。大きく落ちる決め球を教わった。阪神戦(甲子園)が雨天中止となり時間を有効活用した。ヤクルトがナイターで敗れたため、チームは10年連続でクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。

【写真】上原のフォークの握り。06年、セ・リーグ開幕の横浜戦。開幕投手となった上原が完投

 このまま終わるわけにはいかない。沢村は復調のきっかけをつかむため、悩むより行動した。阪神戦が中止になり、室内で行われた練習。ランニング中、近くでキャッチボールをしていた中大の先輩、阿部のもとに歩み寄った。チームのために立ち直らないといけない。その一心で「すいません、教えてくれませんか」と自ら助言を求めた。

 阿部は練習を中断し、その場で即席の「沢村再生プロジェクト」を開始した。議題はフォークについて。握りや投げ方を身ぶり手ぶりで実演し、熱血指導した。

 沢村「分からないことは聞かないと分からないですし、変わらないですから」

 阿部「『上原さんはこう投げていたよ』っていうのを教えただけ。あいつ(沢村)は握りが浅いから。150キロの直球と140キロのフォークじゃ、緩急がつけられない。もっと深く握ってみれば、と。上原さんは(球速を抑えた)ブワーンっていうのと、ピュッと落ちるのを投げ分けていた」

 阿部と沢村といえば、記憶に新しいのが12年日本シリーズ。沢村がけん制のサインを見落とすと、マウンドに向かい、右手で頭をたたいてカツを入れた=写真=。今季は一塁手での出場が続くが、横から「捕手目線」でチェック。質問され、自身が新人時代から8年間、バッテリーを組んだ上原の名前が瞬時に出てきたのは、常に後輩の状態を気にかけ、分析してきたからだ。

 今季の沢村は150キロ台の速球と、140キロ台の小さく落ちるフォークが軸だった。自己最多の37セーブをマークしているが、9月は6試合中4試合で失点。14日の中日戦(ナゴヤD)では2点差を追いつかれ、菅野の白星を消した。最近は低めの決め球を見極められてボール先行が多い。阿部のいう上原式の2種類のフォークで緩急をつける投球は、目からウロコだった。

 沢村「全てを取り入れて練習で取り組みたい。吸収したいと思っています」

 村田ヘッドコーチが「沢村の代わりはいない」と話すように、首脳陣はポストシーズンでも最後まで抑えで起用する方針だ。相手打者は速い球にタイミングを合わせてくる。そこに、深く握ることで球速を抑えて大きく落ちる「2つ目のフォーク」があれば、目線を変えられる。投球の幅が広がるのは間違いない。

 阿部の集中講義は約10分間に及んだ。「恵みの雨とはまさにこれ。あいつがそこまで器用だとは思わないけど。力いっぱい投げすぎ」と大黒柱は涼しい顔で引きあげたが、直立不動で耳を傾けた沢村は何度もうなずいた。「明日もしっかり準備したいです」と金言は胸に刻まれたはずだ。

 チームは14日から42年ぶりの11連戦だったが、雨で1日空いた。疲労を取るだけでなく、守護神が復活のヒントを得た、価値ある時間だった。(片岡 優帆)

最終更新:9月28日(水)14時48分

スポーツ報知

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