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市場安定への潜在的リスク高まる、資産価格高過ぎる恐れ=BIS

ロイター 9月19日(月)17時54分配信

[ロンドン 18日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は、金融市場は英国の欧州連合(EU)離脱をはじめとする政治的な波乱要因にうまく対応しているが、資産価格が高過ぎる可能性があり、市場の安定への潜在的リスクは高まっているとの見方を示した。

四半期報告でBISは、株式・債券の価格水準について明確にバブルとまでは踏み込まなかったものの、それほど磐石ではないかもしれないファンダメンタルズを考慮するとバリュエーションは高いと指摘した。

BISのボリオ金融経済局長は最近の市場の上昇には喜びの感情よりもフラストレーションの方が多くつきまとっていたとし、これが「市場は先行きのリスクを十分に反映しているか」という疑問について説明していると語った。

BISは「記録的な低水準にある債券利回りと、ボラティリティが抑制されている中での株高というちぐはぐな状況は、こうしたバリュエーションに暗い影を投げかけている」と指摘。また銀行株の低迷や銀行の資金調達市場に緊張が芽生える兆候にも警鐘を鳴らした。

BISは「不協和音の市場」と題した今回の報告で、英国民投票後の中央銀行による流動性供給の確約と緩和的な金融政策が市場の混乱を和らげ、市場の円滑な機能に寄与したと指摘。しかし金融市場において英国のEU離脱の影響が薄まるにつれて「繁栄(exuberance)が完全に復活した」との見方を示した。

ボリオ局長はその上で、各国中銀は極端な緩和政策を縮小する必要があるとし、「世界経済を一段と強固で均衡のとれた持続的拡大に導くためには、もっとバランスのとれた政策ミックスが必要」と述べた。

報告では過去65年間、米国、日本、ドイツ、英国の10年債利回りは名目成長率にほぼ追随していたが、現在はかなり下回って推移していると指摘した。

資産バブルのほかにも、電子取引への依存拡大やアルゴリズム取引の拡散もリスク要因として挙げた。通常の状態であれば、取引における人的要素の縮小、コスト削減、流動性拡大に寄与する一方で、「複雑で不透明な部分もある取引戦略の広がりは、ストレスがかかった時の市場の安定への潜在的な影響が懸念される」との見方を示した。

日本やユーロ圏でのマイナス金利が銀行の利益率を圧迫し、銀行の株価を押し下げる点も指摘。また米国での短期市場での規制改定による資金流出で英銀行間金利(LIBOR)が押し上げられている点にも言及した。

最終更新:9月19日(月)17時54分

ロイター