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「被爆ピアノ」の音色 市民ら聞き入る 袋井

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月19日(月)9時20分配信

 1945年に広島で原爆に遭った「被爆ピアノ」を奏でるコンサートが17、18の両日、袋井市内で開かれた。ピアノが被爆した場所は、爆心地からわずか1・5キロ。多くの市民が“奇跡の音色”に聞き入り、平和の尊さをかみしめた。

 被爆ピアノを多くの人々に聴いてもらおうと全国で活動する広島市の調律師矢川光則さん(64)が、袋井市の市民有志でつくるコンサート実行委員会から依頼を受けて運び込んだ。ピアノは1920年(大正9年)にヤマハが製造したアップライト型で、2年前に所有者から矢川さんに託された。矢川さんが保管する6台の被爆ピアノの中で最も古く、最も爆心地に近かったという。

 ピアノがあった所有者の家は倒壊したが、火災を免れた。「(調律時に)中からガラスの破片がたくさん出てきたが、取り換えたのはピアノ線2本だけ。爆心地の半径2キロは焼け野原なのに、形を残しているのが奇跡」。矢川さんはそう話す。

 コンサートは袋井市内2カ所で行い、園児や児童、合唱団員らが出演した。戦禍を生き延びた鍵盤の重みを感じながら、情感豊かに演奏した。実行委の永島君江代表(62)は「音色は平和への祈りそのもの。届けてくれた矢川さんに心から感謝したい」と話した。

静岡新聞社

最終更新:9月19日(月)9時20分

@S[アットエス] by 静岡新聞