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【もう一筆】「岩手がこんなに広いとは…」

産経新聞 9月19日(月)7時55分配信

 「ちょっと、釧路まで行ってくれ」。東京本社の指令に札幌支社の記者がこう答えた。「分かりました。早速、航空券を取って現地に向かいます。到着は早くて4時間後」。「えっ、そんなにかかるのか…」の言葉とともに指令は取り消された。

 元号が平成に代わるころの話である。北海道は東北6県プラス新潟県の広さがある。JRの札幌-釧路間は348・5キロ。東北新幹線の東京-仙台間351・8キロに匹敵し、当時の札幌-釧路間は5時間以上要した。車なら6時間以上かかった。

 指令した声の主は航空券の話で、ようやく札幌-釧路間の距離感と北海道の広さを知った。あれから四半世紀。まさか、自分が札幌支社の記者と同じ立場に置かれるとは…。

 8月30日に岩手県に上陸した台風10号の豪雨災害の取材に東京本社が記者を派遣した。目指すは高齢者施設で9人が犠牲になるなど最大の被害を受けた岩泉町の役場。「盛岡から2時間もあれば着きますよね」。これが最初の問い合わせだった。

 ところが、未曽有の豪雨災害で朝は通行できた道路が昼には通行止めになることもザラで、盛岡から町役場まで4時間以上かかることが判明。「とにかく東北道の九戸インターチェンジから久慈市を迂回するしかない。最低4時間みてくれ」と念を押した。疲労困憊の末、5時間後に到着した派遣記者は「岩手がこんなに広いとは…」と漏らした。

最終更新:9月19日(月)7時55分

産経新聞

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