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緩やか護岸、命育むゆりかご 神戸空港開港10年

朝日新聞デジタル 9月19日(月)15時20分配信

 開港から10年を迎えた神戸空港(神戸市中央区)が、生物のゆりかごになっている。関西空港(大阪府泉佐野市)と同様の、自然の磯に近い「緩傾斜護岸」を採用したことが功を奏しているとみられる。人工島建設などによる環境負荷軽減の成功例として、この工法が定着しつつある。

【写真】神戸空港の緩傾斜護岸のイメージ

 空港の西側。神戸市の環境調査に同行し海に潜ると、水深2メートル地点の消波ブロックに、褐藻ホンダワラ類がびっしりと生えていた。別のブロックの隙間からは、体長50センチほどのコブダイが姿を現し、近くをスズキが悠々と泳ぐ。水深6メートルまで潜ると、数百匹のスズメダイが群れ、無数のイサキの稚魚が、カーテンのように目の前を横切る。

 市によると、空港の周辺約7・7キロのうち、およそ9割が、緩やかに水深が深くなる緩傾斜護岸になっている。水深4~6メートルまでは消波ブロックがあり、それより深い場所は石積みが緩やかに落ち込む構造になっている。

 2006年に開港した神戸空港は、1994年に開港した関西空港、05年に開港した中部空港に次いで、全国3例目として緩傾斜護岸を採用した。関西空港の建設にあたって、緩傾斜護岸を提案した大阪府立環境農林水産総合研究所の鍋島靖信研究員(62)によると、垂直な護岸に比べ、浅場に太陽光が当たるため藻場ができる。藻場は稚魚やエビなど小さな生き物の隠れ家になり、岩場の隙間も魚たちのすみかになるという。

朝日新聞社

最終更新:9月19日(月)15時20分

朝日新聞デジタル