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ボルダリング楢崎が日本人初の金、東京「次の目標」

日刊スポーツ 9月19日(月)9時54分配信

<スポーツクライミング:世界選手権>◇第4日◇17日◇パリ

 2020年東京五輪に新星が誕生した。20歳の楢崎智亜(ともあ=栃木県連盟)がボルダリング男子で初優勝の快挙を成し遂げた。男女を通じ、日本選手がクライミング世界選手権で優勝するのは史上初。8月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で東京五輪から追加種目に正式に決まった直後に、日本人がビッグタイトルを手にした。競技ルールはまだ決まっていないが、4年後へ向けてこの優勝がもたらすインパクトは計り知れない。

 優勝した楢崎は最後の課題(コース)を最初の試技で制覇した。ボルダリングでは、最初の試技で完登することを「一撃」と言う。オンドラ(チェコ)と3完登(3課題を制覇)で並んだが、この一撃が試技数の差での優勝を決めた。「やってやったぞという感じ。歓声がめちゃめちゃ気持ちいい。最高でした」。クラブ調の曲が流れるアリーナを埋めた観客の歓声を全身に浴びた。

 6人までが出場する決勝に、ギリギリの準決勝6位で通過。難しい課題ばかりに「頭の中が真っ白になった」と、軽くパニックになった。その決勝では6番目が試技の1番手になることを逆に利用した。「自分でペースをつくれて(後続に)重圧をかけられる」と、タフなメンタルをのぞかせた。第1課題をクリア、第2課題は失敗も第3課題をクリア。その時点でオンドラと完登数2で並んだが、試技数は楢崎の方が少なく、最終第4課題で一撃ならば優勝という図式を作り上げていた。

 16年W杯ランキング1位。海外経験も積み、今大会は藤井快(こころ)とともに優勝候補だった。プロ活動を始めてまだ2年目。「高校を卒業した後の(プロ)1年目は成績もダメだった。2年目の今年はかなり勝負の年だった。これからの自信になる」。東京五輪は24歳で迎える。ライバルとなりうる強豪フランスのコルヌやオンドラと競り合い、勝った実績はゆるぎないものになる。

 表彰式では笑顔で右手を振った。「優勝って実感はないけど、表彰台から見えた景色は忘れないでいたい」。子供のころに器械体操で空中感覚を養ったイケメンは4年先を見据える。「今までは世界選手権が一番大きい大会だった。それを制することができた。五輪は次の一番大きな目標。金メダルを狙いたい」。東京五輪の金メダル候補に堂々の名乗りを上げた。

 ◆楢崎智亜(ならさき・ともあ)1996年(平8)6月22日、栃木県宇都宮市生まれ。10歳から近くのジムでクライミングを始める。宇都宮北高卒業後にプロ転向。W杯は16年重慶大会で初優勝。以来4大会で準優勝、最後のミュンヘン大会で優勝し、年間ランキング1位に。170センチ。弟明智(めいち)もリードの有力選手。

最終更新:9月19日(月)9時58分

日刊スポーツ