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妊婦の疾病・中絶歴・10代での妊娠歴…貧困の悪循環を断ち切るためには

エコノミックニュース 9/19(月) 11:47配信

 福岡県博多区の千鳥橋病院など5病院による共同調査で、貧困状態にある妊婦が性感染症や糖尿病に罹っている割合が高いことがわかった。胎児の健康を脅かす危険があるとも指摘されている。

 調査は千鳥橋の他に青森市のあおもり協立、川崎市の川崎協同、堺市の耳原総合、那覇市の沖縄共同の各病院で2014年4月から15年3月の間に実施され、対象は出産した母親1290人と担当医。このうち収入がわかった677組を293世帯の貧困群と384世帯の非貧困群に分けて比較した。貧困かどうかの線引きは国の基準に従ったという。

 妊娠時に糖尿病や予備軍である耐糖能異常と診断されたのは非貧困が2.8%、貧困群は5.4%。貧血も非貧困群が16.1%に対し、貧困群が24.2%と高い。糖尿病や貧血は先天性の奇形や早産、子供の低体重に影響する。

 クラミジアや梅毒などの性感染症は、非貧困層が1.2%、貧困群が7.9%。妊娠時に喫煙していた妊婦についても、非貧困層が25.3%、貧困層が37.6%と、いずれも顕著な差が見られた。

 また、貧困群では中絶歴や10代での妊娠歴があると回答したのが4人に1人の割合でいることがわかった。3.7%が母子家庭、8.4%は結婚歴がないという。最終学歴は、中卒や高校中退が25.4%で、非貧困群は9.2%。低学歴であることが、若年出産や未婚での出産につながるケースもみられた。

 担当医によると、欧米の調査では貧困によって早産や低体重のリスクが高まることがわかっているが、日本においては収入を把握することが困難であるという。子供の健康格差がその後の学力や就労の格差を生み出すことも考えられ、妊娠初期からのサポートが必要との指摘もあった。

 貧困が貧困を生むという悪循環も、かねてから問題視されている。生活保護世帯の4割は、出身世帯でも生活保護経験があるという。

 生き方も価値観も人それぞれだが、貧困で苦しんでいる子どもがいるのも事実。これから生まれてくる子供たちの健康と将来を大きく左右するのは、親や周囲の大人であると改めて考えさせられた。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:9/19(月) 11:47

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