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露農業支援へ植物工場 官民組織で領土交渉後押し 経済協力案判明

産経新聞 9月19日(月)7時55分配信

 政府がロシア向けに検討している経済協力案のうち農林水産分野の概要が18日、分かった。極東地域の農地開発を進める官民の支援組織(プラットフォーム)を設置し、日本の技術とノウハウで農産物の増産や品質の向上を図る。植物工場など先進的な技術の導入促進や穀物ターミナルの建設案もあり、現地の需要が大きい農業分野を後押しして北方領土交渉の進展を狙う。

 支援組織には日露政府や民間の農業関係者が参加する。農地開発に向け土壌や農業用水の確保などを調査するほか、技術指導や農業機械の導入による作業効率の改善も目指す。

 極東はロシア有数の穀倉地帯を抱えるが、旧ソ連時代にあった収穫期に工場労働者らを動員する農業支援システムが市場経済化以降なくなり、人手不足が深刻になった。

 このため、少子高齢化による農業人口の減少をカバーしている日本の省人化・自動化技術への期待は強い。

 また、ロシアでは温室栽培が十分普及しておらず、冬場は野菜が不足する。極東のハバロフスクでは、日本企業が手がけた温室栽培施設や人工光を用いた植物工場が既に稼働しており、経済協力では国際協力銀行(JBIC)など政府系金融機関の資金支援で他地域でも日本企業の進出を後押しする方向だ。

 ロシア側は、輸出拡大に向け沿海地方ザルビノでの穀物ターミナル建設への協力も求めている。こうした支援策は、日本が提案した8項目の経済協力の具体案として検討。世耕弘成経済産業相は11月19、20日にペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ安倍晋三首相とプーチン大統領が会談する前にモスクワを訪問し、担当閣僚と経済協力の最終調整を行う見通しだ。

最終更新:9月19日(月)9時20分

産経新聞