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安保関連法成立1年 日米同盟の「安全弁」 自衛隊の役割拡大は途上

産経新聞 9月19日(月)7時55分配信

 集団的自衛権の限定行使を容認する安全保障関連法の成立から19日で1年が経過した。14日には南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣予定の陸上自衛隊部隊が「駆け付け警護」など新任務を想定した訓練を開始。幅広い任務を託される自衛隊は、準備段階を経て「実行の時」(安倍晋三首相)を迎えている。(杉本康士)

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 「今年に入り北朝鮮が核実験を2回も行い、わが国EEZ(排他的経済水域)内にもミサイルを何発となく着弾させるなど極めて厳しい安全保障環境にあって、(1年前に)平和安全法制を成立させることができてよかった」

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は16日の記者会見で、安全保障関連法を整備した意義をこう強調した。別の政府高官も「安保関連法ができたことで米国側の日本を見る目が変わった」と語る。

 政府は、集団的自衛権の行使容認や平時での米艦防護など対米協力の拡大を可能にした安保関連法をてこに、日米同盟強化を図ってきた。10月の日米共同統合演習「キーン・ソード」、11月の指揮所演習「ヤマサクラ」では訓練想定に新任務を盛り込み、相互運用性の向上を図る。

 安保関連法が成立していなければ、同盟国の負担増を求める米側との軋轢(あつれき)が強まる恐れもあった。

 「われわれが最も恐れるのは11月8日だ」

 防衛省幹部が語る「11月8日」とは米大統領選の投票日。共和党候補のトランプ氏は同盟国に米軍駐留経費増額を求めており、仮に民主党候補のクリントン氏が勝利しても、論戦に影響を受けて負担増を求めざるを得ないとの見方が日本政府内で大勢を占める。

 こうした中で防衛省幹部は「一つの回答となるのが安保法制だ」と語る。日本は自衛隊の役割拡大という「負担増」をすでに引き受けているというわけだ。

 朝鮮半島有事など日本の安全保障に直結する事態が発生すれば、集団的自衛権を行使した米艦防護や機雷処理も可能になった。安保関連法は「日米同盟の危機を回避するための安全弁」(政府高官)といえる。

 だが、変わらぬ現実もある。朝鮮半島有事が起きても日本の存立を脅かす明白な危険があるとまではいえない場合、自衛隊の米軍支援は給油や捜索・救難などの後方支援に限定され、自衛隊の活動地域で戦闘が発生すれば撤退しなければならない。米軍を見捨てなければならないわけで、同盟維持を図るための「安全弁」はまだ道半ばだ。

最終更新:9月19日(月)8時10分

産経新聞

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