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安保関連法成立1年 PKO新任務 武器使用基準の習熟を徹底

産経新聞 9月19日(月)7時55分配信

 安全保障関連法が実際の現場で運用される最初の場所になりそうなのが、陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に部隊を派遣している南スーダンだ。

 南スーダンに派遣される予定の陸自第5普通科連隊(青森市)は駆け付け警護や他国軍との宿営地共同防護を新たな任務として付与される見通し。14日からは新任務の訓練を開始した。

 PKOに派遣される自衛隊としては初めて武器を使用する可能性もある。自己保存型の武器使用に限られていた従来のPKOとは異なり、駆け付け警護などでは任務遂行型の武器使用も認められる。

 武器使用の可否、武器使用の程度、指令が出た後の動作…。一つでも間違えば現地住民や自衛官に危険がおよび、混乱に巻き込まれる恐れもある。河野克俊統合幕僚長が「特に武器使用基準に対する習熟については徹底してやる」と力を込めるのはこのためだ。

 ただ、安保関連法が施行されても「停戦合意の成立」など「PKO参加5原則」が満たされなければ、自衛隊は撤退しなければならない。7月上旬には南スーダンの首都ジュバで、大統領派と前第1副大統領派との間で戦闘が発生し、270人以上が死亡した。

 現在は小康状態になっているが、衝突が再発し、内戦状態に陥れば日本政府は難しい判断を迫られることになる。日本だけが撤退すれば参加各国からの反発も予想されるからだ。

 防衛相経験者は「防衛省にとって大事な課題は、いかに南スーダンからの撤収を乗り切るかだ」と語る。

 撤退の可能性を見据えながらの新たな任務。11月以降に11次隊として南スーダンPKOに派遣される陸自部隊は、わが国が積み重ねてきたPKO参加の歴史の中でも、最も困難な任務の完遂を求められている。

最終更新:9月19日(月)8時9分

産経新聞