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4年後の東京、私たちが主役 オコエ、夢へまず汗流す

朝日新聞デジタル 9月19日(月)20時15分配信

 初の南米開催となったブラジル・リオデジャネイロでのパラリンピックが18日(日本時間19日)に閉会し、リオ五輪と合わせた4年に1度のスポーツの祭典が幕を閉じた。次の2020年は東京大会。東京五輪では開催都市が提案できる追加競技として、「野球・ソフトボール」「空手」「スケートボード」「スポーツクライミング」「サーフィン」の採用が決まっている。野球・ソフトボールは08年北京大会以来、12年ぶりの復活。ほか4競技は初めての五輪の大舞台になる。「東京世代」の若者たちが、このチャンスを見据えている。

【写真】ソフトボールの藤田倭選手=北村玲奈撮影


■オコエ瑠偉(野球) とにかく、うまくないたい

 19歳になったオコエ瑠偉(るい)(楽天)は少し大人になった。4年後への思いを問うと、「そんな先まで考えていない」と言い切った。

 ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた。昨夏の甲子園では1番中堅手として東京・関東一高を4強に導き、その高い身体能力は突如として脚光を浴びるようになった。18歳以下(U18)日本代表に選ばれると中心選手で活躍し、評価が急上昇。秋のドラフトでは1位で入団した。

 妹の桃仁花(もにか)(東京・明星学園高3年)も、バスケットボールの年代別の日本代表選手だ。東京五輪を問われると、「桃仁花と一緒に出たい」と答えてきた。

 だが、今は違う。プロの世界でもまれ、自分の実力不足を思い知らされた。守備と走塁で非凡さを示したが、1軍の出場51試合で打率は1割8分5厘。壁にぶち当たっている。

 世界のトップ選手が集まる五輪を、身近に感じることはできない。「目の前のことをするだけ。とにかくうまくなりたい」。2軍で汗を流したこの夏、本塁打が増えた。最大の武器は、類を見ない右肩上がりの成長曲線。今はただ、駆け上がるだけだ。その先に夢のオリンピック選手がある。(小俣勇貴)


■藤田倭(ソフトボール) 次代の柱は二刀流

 群馬県高崎市で4日にあったジャパンカップ決勝。藤田倭(やまと)(25)=太陽誘電=がこの大会で初めて先発に立った。相手は予選で敗れた米国。テンポの良い投球がチームを勢いづけ、二回で5点をリード。自らも三回に二塁打を放ち、日本の6大会ぶりの優勝に貢献した。

 所属チームではエース兼4番打者。日本代表でも、投げない時は打者に回る「二刀流」だ。「打たれても自分で取り返せる」。でも、どちらかを選ぶなら迷わず投手だ。「勝敗の8割を握っているから。プレッシャーは大きいけれど、魅力的」

 金メダルに沸いた北京五輪時は佐賀女子高3年。高校総体などを制していたが、五輪は「あまりに遠い」とひとごとのように感じた。でも、五輪競技でなくなったソフトボールは人気は低迷。だからこそ、「東京五輪に出てソフトボールの魅力を伝えたい」と思うようになった。

 日本のエース上野由岐子(34)を欠いた7月の世界選手権では、決勝トーナメントの4試合すべてに登板。次代のエースの自覚が芽生えた。

 名前の由来は「日本を背負う人になるように」。29歳で迎える東京五輪で、名前に込められた願いをかなえたい。(伊木緑)


■清水希容(空手) 演武の女王、強くなる

 笑顔は空手着をまとうと武道家の顔になる。清水希容(きよう)(ミキハウス)、22歳。日本が誇る女子形(かた)の世界王者は、4年後も金メダルの有力候補の呼び声が高い。「空手の発祥国である日本人しか出来ない演武で、表彰台の一番高い所に行きたい」

 この夏は毎晩、リオ五輪の魅力に酔いしれた。形と似ている採点競技の体操は印象深かった。「内村航平選手の個人総合2連覇には体が震えた」。跳馬で銅メダルの白井健三選手が「左足。5ミリ曲がっていたら4位だった」とつづったツイッターの言葉に「ちょっとした努力が結果を変えるんだ」と知った。

 国際大会では東大阪大敬愛高3年で出場した2011年の世界ジュニア選手権、14年の世界選手権や仁川アジア大会など、過去に出場した全大会で優勝。国内でも12年の全日本選手権で敗れて以降、負けを知らない。

 それでも五輪選手らには及ばないと感じる。「五輪選手は極限まで技術を追い求めている。私の努力なんてまだ、まだ」

 小学校3年から始めた空手で組手(くみて)の経験がない。だが、4年後を目指す中で挑戦しようと思っている。「組手の力の使い方は、形にとっても必要だと思う。今までと違う視点で、より技術を磨いていきたい」

 「五輪は、負けた選手を含めて様々な物語があり、こんなにもたくさんの人の心を動かせる。やっぱりすごい」。その舞台に日本の主力として立つため、女王は走り続ける。(竹園隆浩)

朝日新聞社

最終更新:9月19日(月)20時15分

朝日新聞デジタル

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。