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お礼品発送までシステム化 前例のないビジネスに当初は試行錯誤 ふるさと納税サイト「さとふる」

産経新聞 9月19日(月)13時50分配信

 「簡単ふるさと納税サイト」として知名度が急上昇している「さとふる」。運営するのはソフトバンクのグループ会社「さとふる」で、サービス開始当初は自治体から「ソフトバンクがなぜふるさと納税を?」と聞かれることも多かったという。だが、インターネット上でお礼品の選択や寄付の申し込みができる「これまで世の中になかった」(さとふるの高松俊和取締役)仕組みが人気を集め、全国的なふるさと納税利用者の拡大の波に乗っている。

 納税サイトのさとふるはふるさと納税を申し込んでお礼品を受け取る一連の流れがシステムで自動化されている。利用者がお礼品を選んで寄付を申し込むと、該当する自治体に申し込み情報が自動的にメールで送られる。お礼品を提供する事業者にも、いつまでにいくつのお礼品が必要かなどが自動で伝わる。事業者はお礼品を用意するだけで、さとふるからの連絡を受けた佐川急便が集荷して配送する。

 さとふるは平成26年当初の事業化検討開始から、同年10月末のサービスが始まったころまでは、前例のないビジネスだったため、失敗や困難の連続だった。

 ソフトバンクグループ子会社で地方競馬など地方自治体の事業支援を行うSBプレイヤーズ社員として新規事業を検討していた高松氏は、経理業務の経験を生かして、関係法令や自治体事務、お礼品を提供する事業者の状況などを調べた。

 すると、23年に地方自治法施行令の一部改正で、民間事業者による寄付金の徴収事務が可能になっていたことが判明。「うまく活用すれば、都会から地方に大きなお金の流れを作ることができる」と、26年4月ごろから本格的にふるさと納税の事業化に向けて動き出すことになった。

 当時は、ほとんどの自治体でクレジットカード決済によるふるさと納税を受け付けておらず、紙の書類をFAXする方法が主だった。鳥取県や佐賀県ではすでに豪華なお礼品に注目が集まるようになっていたが、担当者が直接、商店街に買い物に行って、宅配便に配送を依頼するという状況で「100件も対応するとほかの仕事ができなくなる」と頭を抱えていた。

 そこで、高松氏らがサービス開始に向けて必要と考えたのが、申し込みを受け付けて電子決済できるサイトの構築、お礼品の配送管理、自治体と事業者向けの営業活動、そして一連の業務についての法令との適合性確認だった。

 新サイトは、ネットショッピングサイトを利用するように、お礼品を選んでカートに入れる仕組みにした。システム構築に当たったさとふるサービス推進部の川上純部長は「まずやってみて問題が出てくれば改修しようと考えた」と立ち上げのスピードを重視したことを明かす。

 自治体や事業者への営業は、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の営業で全国を回り、自治体との接点があった同社地域協働事業推進部の幸田宗徳部長が担当した。「『携帯屋がなんでうちのメロン買うの?』とかもよく言われた。ふるさと納税の仕組みを説明するのも大変だった」と苦笑する。

 この間、サイトの運営会社の社名も「ふるさとの元気、魅力をフルに」という意味から「さとふる」に決定。業務を支援する自治体からの手数料は、寄付金の額の約1割に設定した。ただ、最後まで苦労したのが法令確認だった。税理士、弁護士に相談しながら、総務省の担当課も再三訪れて、法令上問題がないかを相談した。

 そして、26年10月31日のサービス開始初日。「最初の申し込みがあってお礼品の配送が1週間ぐらいで終わり、大きな問題がなかったときは、世の中にない仕組みを成立させた実感がわいた」と、さとふる事業企画部の青木大介部長は笑顔を見せた。

 ふるさと納税の寄付金額は昨年度、3年連続で増加するなど、人気は高まる一方だ。さとふるで取り扱う自治体の数も増え続けており、今年9月10日時点で106に達した。ただ、寄付獲得競争を背景に、高価な電子マネーや商品券などをお礼品として提供する自治体もあり、総務省が4月に自粛を要請した。さとふるでは、換金性の高いお礼品を提供する自治体は対象外としている。

 高松氏は新たなネット通販サイトの開設にも意欲を示す。「地方にお金が落ち、仕事が増えることなら何でも手伝いたい」。(大坪玲央)

最終更新:9月19日(月)13時50分

産経新聞

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